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殿原の 名古屋顔なる 鵜川かな      

                  蕪村

(とのばらの なごやがおなる うかわかな)

意味・・長良川の鵜飼見物の面々は、見るからに尾張藩士の
    名古屋顔といった顔付きで、大らかで鷹揚(おうよう)
    な態度をしている。

    岐阜県長良川の鵜飼は尾張藩の管轄であった。

 注・・殿原=身分の高い男の方々。 
    名古屋顔=名古屋者らしい顔つき。「名古屋」に「な

     ごやか」を掛ける。 
    鵜川=鵜飼をしている川、鵜飼見物の出来る川。
    鵜飼=飼いならした鵜を使って鮎などの魚をとる漁法。
     鵜匠が鵜舟に乗り、篝火(かがりび)をたき、鵜を操

     (あやつ)ってとる。

 

作者・・蕪村=ぶそん。与謝蕪村。17161783。池大雅ととも

    に南宗画の大家。

 

出典・・蕪村句集。