道の辺の いつ柴原の いつもいつも 人の許さむ
言をし待たむ
詠み人知らず
(みちのべの いつしばはらの いつもいつも ひとの
ゆるさん ことをしまたん)
意味・・道端の茂りに茂ったいつ柴原ではないが、いつも
いつも、あの人が「はい」と言ってくれる返事を
待っていよう。
求婚の歌です。
注・・いつ柴原=「いつ」は植物に冠してその繁茂(はん
も)をほめる接頭語。「柴原」は雑木林。
許さむ=願いを聞き入れる、承諾する。義務や罪
を免ずる。
出典・・万葉集・2770。