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うばたまの わが黒髪や かはるらむ 鏡の影に 
降れる白雪
                  紀貫之

(うばたまの わがくろかみや かわるらん かがみの
 かげに ふれるしらゆき)

意味・・私の黒髪はもう白くなってしまった。鏡に映る
    私の頭には雪が降っている。

    鏡の中の自分を見て、あらためて自分が老いて
    しまったと自覚して、嘆いて詠んでいます。

 注・・うばたまの=黒、闇、夜などの枕詞。

作者・・紀貫之=きのつらゆき。866~945。古今和歌集
    の撰者。

出典・・古今和歌集・460。