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願はくは 花の下にて 春死なむ そのきさらぎの 
望月のころ
                西行

(ねがわくは はなのしたにて はるしなん そのきさらぎの
 もちづきのころ)

意味・・願いがかなうなら、桜の下で春のさなかに死にたい。
    釈迦が入滅した、その二月十五日の満月のころに。

    月と花を愛し、その美の世界の中で宗教家として生涯
    を閉じたいと願った西行は、実際に1190年2月16
    日に世を去った。

 注・・その=釈迦の入滅(聖者の死ぬこと)の日をさす。

作者・・西行=さいぎょう。1118~1190。

出典・・山家集。