ひよどり

 

み吉野の 象山の際の 木末には ここだも騒ぐ
鳥の声かも         
                山部赤人

(みよしのの きさやまのまの こぬれには ここだも
 さわぐ とりのこえかも)

意味・・吉野の象山の山中の木々の梢では、あたり一面
    に鳴き騒ぐ鳥の声の何とにぎやかなことだろう。

    朝の山中の生気あふれる鳥の声を詠み、象山の
    素晴らしさを讃えた歌です。

 注・・象山(きさやま)=吉野の離宮のあった近くの山。
    ここだも=こんなにも数多く。こんなに沢山。

作者・・山部赤人=やまべのあかひと。生没未詳。柿本
    人麻呂の伝統を継承した宮廷歌人。724年頃この
    歌は詠まれている。

出典・・万葉集・924。