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春や疾き 花や遅きと 聞き分かむ うぐひすだにも
鳴かずもあるかな
                 藤原言直
           
(はるやとき はなやおそきと ききわかん うぐいす
 だにも なかずもあるかな)

意味・・春が来たのに一向に春らしくないのは、春の
    来かたが早すぎたのか、花の咲くのが遅いの
    かと、聞いて判断しょうにも、その相手の鶯
    までも鳴きもしない。
    
     「早春賦」の思いです。
 
    春は名のみの 風の寒さや
    谷の鶯 歌は思えど
    時にあらずと 声も立てず
    時にあらずと 声も立てず

 注・・聞き分かむ=聞き分ける、聞いて判断する。
    鳴かずもあるかな=「も」は強調の語。現在
     も「鳴かない」→「鳴きもしない」の言い
     方がある。

作者・・藤原言直=ふじわらのことなお。生没年未詳。
    900年頃活躍した人。

出典・・古今和歌集・10。