叔母から、

くるみの様子を聞きたいと

連絡がきた。

くるみのことでは、逆に

こちらから叔母に聞きたいことが

いくつかあった。

なぜ、パニックになるのが

分かっていて、6回も風呂に

入れたのか。

ケージには、いつから

入れっぱなしにしていたのか。

不意にくるみを撫でようとすると

怯えて手を避けることがあるが、

くるみに体罰を

していなかったかどうか。





我が家でくるみは、

極めて健康的に元気に暮らしてる。

ベットにいる時以外は、

私にベッタリだ。

仕事をしている時も

足下にいるし、

名前を呼ぶと飛んでくる。



食欲旺盛で、ご飯もよく食べる。
ちょっと、まるっとしてきた。
今日も朝から絶好調で遊んでいた。


うちの壁がボロボロなのは、
見なかったことに。
くるみはジョイントマットで
爪をとぐが、壁ではやらない。
これは、母の猫がやったものだ。




あとはベットで一緒に
寝てくれたら完璧なのだが、
ベットには上るものの、
私が上ると、一目散に降りてしまう。
これにも叔母が関与してる
気がしてならない。




私は叔母に、率直に疑問を
ぶつけた。
叔母はしばらく黙っていたが、
『くるみ、叔母さんのこと
ちっとも恋しがってないよ』
と言うと、観念したのか、
話し始めた。

⚠️ここから虐待描写があります。
苦手な方は回れ右して下さい。












叔父が亡くなって寂しかったし、
猫は好きなので、
近所で子猫が生まれたと聞いた時、
気軽な気持ちで引き取った。
人懐っこい子で、
最初は可愛いがった。
一緒に寝たりもした。
しかし、いたずらするし、
思っていたより世話が大変だった。


そうこうしているうちに、
叔母の具合が悪くなった。
一緒に寝るのが鬱陶しくなり、
布団にくると、追い払った。
何度追い払っても来るので、
思い切り殴った。
それから来なくなった。




予想外にくるみが妊娠して、
子猫は生まれてすぐ処分した。
また妊娠されると困るので、
くるみをケージに入れた。
ケージから出たいと鳴く
くるみを、ケージの外から
棒で何度も叩いた。
くるみは鳴かなくなった。




猫砂が飛び散るのが嫌で、
上から入るタイプの
トイレにした。
体がすっぽり入るので、
くるみから漂う排泄物の臭いが
気になるようになった。
嫌がるくるみの首根っこを
掴んで、無理やり風呂に入れた。
人間のシャンプーで、
叔母が満足するまで
ガシガシ洗い続けた。
くるみはぶたれても鳴き続け、
めちゃくちゃに暴れた。
終いには吐いた。
お仕置だと、お湯ではなく
水でシャンプーを洗い流した。
くるみは、グッタリしていた。
バスタオルで適当に拭き、
ケージに戻した。
くるみは力無くグルーミングしていた。



それから叔母が
臭いと判断したら、
同じように無理やり入れた。
くるみは毎回
パニックになり吐いた。
シャンプーをつけると
一層暴れたので、
叔母は、この猫は匂いに
敏感なんだと判断した。
実は6回どころではなく、
10回以上風呂に入れていた。




叔母が、くるみを可愛がったのは
貰ってきてから、約4ヶ月。
くるみは2年近く、ケージに
入れられ、虐待を受けていた。
叔母は気まぐれに、LEDライトペンで
くるみを遊ばせた。
ケージの中に入れたままで。
それでも、くるみは喜んだ。


叔母がトイレを片付ける時、
ご飯をあげる時、
くるみは怒られないように
大人しく待っていた。
ケージから逃げ出そうとしたのは
最初だけだ。逃げようとすると
体罰を受けるのを理解してからは
大人しくするようになった。





くるみは頻繁に嘔吐
するようになった。
嘔吐する度に、
吐瀉物に顔を近づけられ、
殴打される。
殴打されている間、
くるみは縮こまって耐えた。





これが、
叔母がくるみにしてた事だ。
私は聞きながら、
涙が止まらなかった。
叔母への怒りで、
血管がブチ切れそうだった。




ケージから出られて、
くるみはどれだけ嬉しかっただろう。
嘔吐のことを何度も叔母から
言われたが、我が家に来てから
くるみは一度も嘔吐してない。
ご飯を、嘔吐緩和のオールウェルに
したのもあるだろうが、

体全体で私に甘えてくる、くるみ。
撫でると目を細めて
気持ちよさそうにする、くるみ。
名前を呼ばれて、嬉しそうに
駆け寄ってくる、くるみ。
玩具で楽しそうに遊ぶ、くるみ。
バリバリと、爪研ぎで爪を研ぐくるみ。
部屋中を嬉しそうに走る、くるみ、
朝起きると、甘えながら寄ってきて
ご飯をねだる、くるみ·····




くるみは臭くなんかない。
叔母の家から持ってきたトイレは
確かにアンモニア臭がした。
私はトイレを洗って、
砂を全部取り替えた。
くるみがトイレに入ったら、
すぐ片付けている。
くるみが臭ったとすれば、
それは叔母の怠慢だ。




叔母が病気になったのは
天罰だと思う。
神様とか信じないけど、
くるみのことは、
見かねた神様が、私の所に
来るように仕向けたとしか
思えない。
それとも、さくらだろうか?




叔母が病気になって良かった。
あのまま叔母の所にいたら、
くるみの寿命は、いいとこ5年だ。
私のところに来たからには、
目指せ25歳。
くるみは、辛いとか
我慢とか、一切しなくていい。
ストレスなんか感じさせない。





私は叔母に言った。
『叔母さんは、うんと苦しんで死ねばいい。
くるみには二度と会わせない』
叔母は無言だった。
私はそのまま電話を切った。
叔母を着信拒否にする。





電話を切ったあと、
くるみを抱きしめた。
『ママのとこに来てくれて、ありがとう。
一緒に幸せになろうね』
くるみはグルグルいいながら、
首筋にスリスリしてきた。
くるみが人間嫌いにならなかったのは奇跡だ。




私は、くるみと生きる。
虹の橋の麓に、
さくらが迎えに来てくれるまで。
桜の樹木の下で、
さくらと共に眠るまで。





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