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時の記念日

時の記念日ってご存知ですか。今ではほとんど忘れられていますが6月10日は時の記念日として、子供の頃、この季節になると時計の絵を描いたり工作などをしました。この記念日は天智天皇10年に中国から伝えられ漏刻(ろうこく)と言う水時計設備が導入されたと伝えられる日にちなんで大正9年に制定されたと言われています。

今ではデジタルの機器が発達して見回せばおもちゃにまで正確な時間の表示があって正確な時刻を簡単に知ることが出来ます。しかしほんの少し前のパソコンは時間合わせが必要なものもありました。時間を簡単に知ることができると時計の実用的な価値は減り、時の記念日も注目度が減ったのではないでしょうか。今ではカウントダウンの行事のときに時間の経過に注目が集まります。最近では平成から令和に変わる瞬間大いに注目を集めました。

明治時代には国家の元勲といわれる人に天皇陛下より恩賜の懐中時計が下賜されたり、帝国大学の成績優秀者にも贈られるなど、最高の名誉を担う尊いおくりものとして時計は活躍しました。私も退職にあたっていただいた腕時計を大切に使っています。有名なサッポロの時計台など街のシンボルとして設置されている時計塔もあり、腕時計を持たない人には時間を知る有難い設備でした。

そういえばグリム童話の七匹の子ヤギのチビちゃんは時計の中に隠れて狼に食べられずにみました。中に子ヤギが隠れることができるほどの大時計は医院やお店にありました。普通の家庭では振り子のついた柱時計がありました。ゼンマイや振り子など。構造は違ってもねじ巻きや針合わせがかかせません。時計のメンテナンスが日常の家事の一つでした。時計が遅れていた、時計が止まっていたという言い訳もよく使いましたが、長期間正確にうごく電池の時計やデジタルの表示のおかげでこの言い訳も通用しなくなりました。

子どもが小学校に入学した時、父が孫へのお祝いに鳩時計を買ってくれました。時がくると小窓が開いてポッポー ポッポーとなきます。何とも素朴で楽しい時計です。今では手入れする人もなく止まってインテリアになっています。英語ではカッコー時計と言いますからあの小鳥はカッコウなのですね。今月の折図は「はとどけい」です。 (2019/6/1)