桜色のコスモスが、雨粒に照らされて綺麗な日だった。お気に入りのワンピースを身にまとい、私はご機嫌で街を歩いた。
街の音は様々で、近所で噂話をするおばさんの声、声を出して物を売る八百屋のおじちゃん、
これから公園に行くであろう親子の笑い声、
一定の速さで走る車。耳の奥をくすぐられているようで、とても心地が良かった。
信号が、赤色に変わる。歩行者信号が青色に変わった。
─でも残念、私が行くのはそっちじゃないのよ。
数分、いや、数十秒の間に信号が青色になった。私の行きたい方向にある歩行者信号も青色になった。右、左、右、と確認をして歩きだした。
…ほんの、一瞬。瞬きも出来ないくらい、速いスピードで車が私を轢いた。と、同時にスマホが鳴る。
(…スマホ……あの人からかな…)
折角、あの人に会える日だったのに。久しぶりに会う約束…してた日なのに……。
渇いた笑いが出てくる。
(あーあ…あっついのに………なんか、冷たい……)
雨が降っていた。今日はそんなにツイてない日なのかも。だんだんと薄れていく景色の中、愛しいあの人の姿が写った。
お願い、最後にもう一度だけ。
私の、大好きな人。
甘いものが嫌いで、
それでも一緒にドーナツ食べてくれて、
タバコなんて体に悪いもの吸って、
でも私の前じゃ吸わなくて。
冬が好きで、
強がりで、私の前じゃ、カッコつけてばっかり。
そんな私だけの、大切な彼氏。
コンクリートが紅色に染まっていく。
(私死ぬんだ~……そっか~………あはは…っ)
──あと、少しだったのに…あ、見つけた、コスモスの花。
私の血で、紅い色に染まるコスモス。でも雨が降ってるから、色が抜けていく。綺麗だなぁ、コスモス。
「…ごめんな、さい…」
そこで私の意識は、ぷっつり切れた。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
街の音は様々で、近所で噂話をするおばさんの声、声を出して物を売る八百屋のおじちゃん、
これから公園に行くであろう親子の笑い声、
一定の速さで走る車。耳の奥をくすぐられているようで、とても心地が良かった。
信号が、赤色に変わる。歩行者信号が青色に変わった。
─でも残念、私が行くのはそっちじゃないのよ。
数分、いや、数十秒の間に信号が青色になった。私の行きたい方向にある歩行者信号も青色になった。右、左、右、と確認をして歩きだした。
…ほんの、一瞬。瞬きも出来ないくらい、速いスピードで車が私を轢いた。と、同時にスマホが鳴る。
(…スマホ……あの人からかな…)
折角、あの人に会える日だったのに。久しぶりに会う約束…してた日なのに……。
渇いた笑いが出てくる。
(あーあ…あっついのに………なんか、冷たい……)
雨が降っていた。今日はそんなにツイてない日なのかも。だんだんと薄れていく景色の中、愛しいあの人の姿が写った。
お願い、最後にもう一度だけ。
私の、大好きな人。
甘いものが嫌いで、
それでも一緒にドーナツ食べてくれて、
タバコなんて体に悪いもの吸って、
でも私の前じゃ吸わなくて。
冬が好きで、
強がりで、私の前じゃ、カッコつけてばっかり。
そんな私だけの、大切な彼氏。
コンクリートが紅色に染まっていく。
(私死ぬんだ~……そっか~………あはは…っ)
──あと、少しだったのに…あ、見つけた、コスモスの花。
私の血で、紅い色に染まるコスモス。でも雨が降ってるから、色が抜けていく。綺麗だなぁ、コスモス。
「…ごめんな、さい…」
そこで私の意識は、ぷっつり切れた。
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