Tシャツの日本史 を読んで
本書をレポートした高畑鍬名氏はTシャツが日本人にいつから着られて、ズボンの裾に入
れたの出したの変遷を綴っている面白いテーマ。さぁ~、自分はどうだったか?
現在から遡って1980年代頃まで、夏Tシャツを着た場合、殆どアウトだった。多分古
い写真を見れば分かる。上に何かを羽織る場合インにした。二枚重ねてアウトだと何か
だらしない着方のように思えた。今はTシャツの上に薄いものを着ても2枚ともアウトで
ある。秋口から初冬にかけてYシャツ類を着る時も裾はアウトである。ファッション誌を
見たわけでなくいつからか、そうなってしまった。高畑氏によれば1990年代から
2010年頃までTシャツの裾はアウトになっていたが、2010年頃再びインする
時代に入った。インする者が多くなったのはコミックの幽☆遊☆白書やスラムダンクの
影響があるのでは?と言っているが、巷のファッション,イン、アウトがコミックの主人公
の着方で反映されるとは凄い見方である。Tシャツは1960年代、無地で下着の延長で
着ていた。それがやがてファッショナブルにカラーデザイン化されて大衆化した。個性の強
いロゴやイラストが気に入り、着る人が多くなっていった。私の記憶では夏、常時着るよう
になったのは1980年代Uターンした後、着るようになった気がする。その前までは
下着を着て、半袖ポロシャツを着るのが定番だった。(家では下着一枚だった)
その頃私はビールの空き缶を集め始め、日米ビールメーカーのロゴが入ったTシャツ
を着るのを常としていた。雑誌やテレビの取材にはそれを着て臨んだ。1980年代は
ビール会社に勤めている人は皆、イベントがあると、そのロゴ入りのTシャツで接客した。
腹のでっぷりした中年おじさんがタックインした姿はまるでビール樽だったのを憶えてい
る。私が着始めたTシャツはGパンの場合はインだった。バンドが大きなバックルだった
せいかもしれない。バックルあるのにTシャツで隠す必要はないからね。
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アメリカではTシャツが着始められた頃、不良が着るものだった。勿論映画から
影響されたものが多い。着た主人公はブルーカラーで野卑だった。日本で最初着た者は
自由業者・作家だったりTシャツと名付けたり、三島由紀夫や中上健次だったと言う。
夏皆一斉に色とりどりカラフルなTシャツを着始めるのはつい最近のことである。
その裾がインであるか、アウトであるかは個人の趣向に委ねられている。又は
子供時代の親の躾の延長である。Tシャツは今や花盛り値段も安価、ビンテージも
多発していて引く手あまたである。私もメルカリで80年代の古着が思いのほか
売れて吃驚している。
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本書は大1章 誕生1868-1955 第2章 思春期1956-1979
第3章 失踪1980—1988 第4章 反抗期 第5章 黒歴史
第6章 輪廻転生 終章となっている。その中で木村拓哉のTシャツの着こなしに付いて
綴られているので記してみたい。キムタクは1988年Tシャツを裾に入れていたが
ベルトに甘嚙みさせるスタイルだった。然し1991年にはタックアウトさせる。
だが1966年裾は再びインした。よくここまで観察しているよ。感心してしまう。
いずれにしてもその時代人気があった俳優やタレントがどういう着こなしあったかが
大衆に支持されるようである。バッカミテイ!


