蔦重が生きた江戸の出版・識字事情・講演

 

 



 

画像>チラシ  右の溝口氏講演は後日UP予定

 

NHK大河ドラマ蔦屋重三郎(1759~1797)こと 江戸中期の出版事情について、

 

この度新島学園短期大学新学長に就任した高山有紀教授による講演があった。この時代は

 

テレビでやっている通り寛政の改革あり、享楽的化政文化華やかりし、町民らの立場が台頭

 

し始める時代だった。

 

識字率も高かったせいもあり、出版した本が売れ、貸本屋の本が多く読まれた時代でもあ

 

った。娯楽の歌舞伎や相撲も多く見られ、浮世絵になって売られた。今でいう芸能人プロマ

 

イド販売である。私も若い頃浅草の老舗マルベル堂に買いに行った。江戸中期長い戦争から

 

解放されて江戸も平和を楽しめる時間が増えた。日本人の識字率の高さと言えば、一番驚い

 

たのが「ばけばけ」小泉八雲であり、少年よ大志を抱けと発したクラーク博士だったという。

 

それ位異国から東の外れの島国の人々が寺子屋などで勉学に励んでいるとは知る由もなか

 

った。

 

 



 

画像>講演中の学長  当時本の値段はそば一杯の半分に相当した。200円くらい?

 

 



 

画像>マンガを読むような黄表紙感覚であったろう。

 

 

講演の最後に当時人気のあった黄表紙の「邯鄲の夢」の内容を話された。

 

この話は高い枕を買えば、いい夢が見られて、安い枕を買えば下らない夢しか見られない

 

話。高山学長は夢の研究もしているとかで、中世に生きていた庶民の夢と

 

近世の人が見ていた夢は明らかに違う。いつ自分の領主が殺されて路頭に迷うか

 

日々不安な暮らしにあった人々と豊かな生活に安定してきた近世人は

 

教養も身に付けて来たから、一ひねり戯作の面白さにも理解が出来、階級の

 

上下間にも変化が見え始めてきた。私の夢だって少年・成人頃の夢と中年以降老人になって

 

見る夢は明らかに違った。若い頃見た夢はよく上から下に落ちる【崖】夢が多かった。それ

 

と道に迷う夢。老いてから見る夢は思い出そうとしても中々思い出せないことが多くなっ

 

た。それをフロイト博士はどう判断するんだろうか。『駄目だこりゃ!』で相手せずかな。

 

江戸中期は黄表紙を始め草双紙(庶民的な絵入り読み物)、洒落本(遊郭を綴った読み物)、

 

人情本(庶民の色恋を綴ったもの)、滑稽本(文化を面白く描いたもの)、学術書「漢籍。教

 

養書・古典文学など」もあった。又人気者のプロマイドに匹敵する浮世絵も半端なく売れた。

 

一時間急ぎ足で講演され

 

次の一時間は郷土料理が花咲く江戸時代の講演に引き継いだ。

 

 



画像>新島学園校舎