DVD「大阪物語」市川雷蔵を観た

 

昔の友達に市川雷蔵のファンがいて、いつも話す時「雷ちゃんが・・・」と

 

気安く呼んでいた。どれほどの付き合いだったか知らない。当時は大川橋蔵

 

にしても007ショーン・コネリーにしても、俳優がテレビに出ると

 

メーキャップしないから、どこぞのおじさんと思ったものだ。その点市川雷蔵は

 

素顔が変わらない風に見えた。映画は大阪のけちんぼ商人の話だが、まさか

 

雷蔵がその役であるはずがない。成り上がりの金貸し近江屋店主の役は

 

中村鴈次郎である。娘の中村珠緒が花魁で出ている。この映画共演したからか

 

一緒になった勝新太郎も出ている。他に番頭役雷蔵の恋人でケチンボ主人の

 

娘役に香川京子、糟糠の妻役に浪花千恵子・・・・・懐かしい面々が出ている。

 

ストーリーは大阪商人の異常なケチンボぶり。常軌を逸した近江屋店主の

 

守銭奴に息子も娘も愛想をつかし、金にしか拠り所がない店主が地下に

 

ある金庫を抱変えて狂ってしまうお話である。この映画の原作は井原西鶴

 

「日本永代蔵」「世間胸算用」「万の文反古」をまとめ、名監督溝口健二が

 

メガホンを握るわけだったが急逝の為(藤本義一氏はその様を死に急ぎで無く生き急ぎ

 

ったと記している)吉村公二郎が代わりにメガホンを取った。モノクロで90分

 

生い立ちの貧しい近江屋店主が年貢米保管所で雀の如くこぼれ米をかき集めて

 

大きくなるサマを描いている。日本は昭和初期まで何処にも見られた光景である。

 

食うや食わずの人々が沢山屯し、明日の米さえない暮らしを送っていた家族は

 

仰山いた。その中で近江屋店主は才能があったから生き残れたと言う話でもある。

 

ストーリーのえげつなさとかけ離れて若き雷蔵や勝新太郎の美男ぶりを観られるのが

 

口直しになる大映永田ラッパこと、雅一氏の外国映画賞(ベネチア、カンヌ,等々)

 

を狙った名作である。

 

溝口健二監督で前回、「西鶴一代女」で入賞している。

 

 



 

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