中国映画「妻への家路」を観て
境図書館で鑑賞会があった。
チャン・イモウ監督のせつなくも悲しい夫婦の物語を観た。
時は中国文化大革命の時代、夫は大学教授だったが、体制の
理不尽に疲れ果て、妻子を残して逃亡。10年後妻に会いたくて
ドア下にお逢瀬の書置きを置いたが、父親憎しで生きて来た
娘の密告で逮捕留置された。然し毛沢東の死後、文化大革命は
終わり主人公は解放された。然し家に帰るとバレリーナを目指し
た娘はおらず、妻は強い健忘症に陥っていた。夫のことが
分からない。しかしあの日会う場所を官憲に密告した娘の冷たい
仕打ちだけは覚えていて、家から追い出して生活していた。
さて妻は映画が終わる頃には記憶喪失から目覚めるだろうか❓
記憶を取り戻すために二人が取った秘策とは?
昔の古い写真を見せる(殆どは娘が父親だけ部分を切り抜いてい
た)夫が懐かしい昔のピアノ曲を演奏する。獄舎で書いた
妻への思いを読んで聞かせて蘇生を願った。20年と言う長い
歳月は3人家族の平和と幸福を切り裂いた。イモウ監督は
時代が奪った家族の悲哀と戸惑いを描く。毎月5日になると
帰ってくると夫の最後の手紙を信じて、雨の日も雪の日も
プラカードを持って佇み、そこに髭面の夫がいても気づかない。
20年前の夫の姿なら気付くのか。ラストシーンは夫がプラカー
ドを持って、一緒に妻と駅前に佇み、乗客がすべて降りて
ゲートが閉まっても、二人は過去の時空を取り戻すように
呆然と立ち尽くしエンドした。ちょっとがっかり、ハッピーエン
ドにするのは無理があった。悲しい110分の現実があった。
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