沢田研二「キネマの神様」を観て

 

この映画は主演志村けんで撮影するわけだったがコロナ禍で中断、挙句の果て志村けんが

 

 

病死してしまってお蔵入りになっていた。然しシナリオの出来は良いし、多数の人の

 

 

要望が多かったためだろうか、元タイガースのボーカル沢田研二で撮ることになった。

 

 

志村けんとは生前親交があり、顔は二枚目だが関西人特有の三枚目も演じられるので出演要請があった。昔バラエティで志村との

 

 

アドリブコントも何度か見たがコメディアン的素質は大ありだと思っていた。

 

 

映画の主人公円山ゴウは元映画人(助監督)だが今では田舎の片隅で酒とギャンブルに溺れ、借金まみれで昔の勇姿は跡形もない

 

 

駄目親父である。然し孫が祖父の書いた「キネマの神様」の台本を読み感動し、現代風にアレンジして懸賞応募しようと進める。

 

 

それがシナリオのタイトル通り神様は微笑んでくれて見事一位入選し、賞金100万円を得た。

 

 

そこから映画は山田洋次監督お得意の涙と笑いのオ ンパレード。主人公は心改め、

 

 

真人間に豹変し、お祝いの席で志村けんが歌った「東村山音頭」♪を歌う始末。

 

 

それがジュリーの歌なら客席はダッフンダ!若い頃の主人公は菅田将暉が演じ、これも

 

 

自分の脚本を監督することになったが、緊張と寝不足で撮影中、何度もトイレが近くなる。

 

 

スタッフ、キャスト皆はゲーリークーパーだなんて笑いを取る。なんか渥美清主演

 

 

「男はつらいよ」を彷彿とさせるし、「幸せの黄色いハンカチ」で武田鉄矢が演じた

 

 

野〇ソシーンを思い出す。あの時山田監督は俳優として初めて出演した鉄矢に怒ったそうだ。無理に笑わそうとしないこと。映画

 

 

は菅田将暉か沢田研二か、どちらかと言えば

 

 

6:4の比率で若い頃の主人公が描かれていた。でも沢田ジュリーは私が前に見た

 

 

「土を食らう12か月」同様,演技も才能が有り、ギャンブル依存症のどうしようもない

 

 

老人を見事に演じていたように思う。50年前はアイドルであり、スーパーヒーローだからね。その辺の豹変ぶりは見事としか言

 

 

いようがない。これからは夢を壊さないように

 

 

駄目老人のオファーはお断りするよう願うばかりである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

画像>脇を固めるのが「寺島しのぶ」「宮本信子」「小林稔侍」「北川景子」「リリー・フランキー」である。エンドロールに亡

 

 

き志村けんが映し出されるのは粋な計らいである。