役所広司主演DVD「ファミリア」を観て

 

映画の見はじめブラジル人が沢山出ていたので舞台は群馬県大泉なのかと思ったが中京方面だった。日本経済がまだまともな頃こ

 

 

の辺一帯はブラジル人でごった返していた。しかし

 

 

リーマンショックがあり、3.11東日本大地震で日本経済は大揺れを起こすと、大部分の外人雇用者は職を失う。そう言う背景で

 

 

映画は描かれている。主人公神谷(役所が演じる)は妻を早く亡くし、一人山里で陶器を焼く仕事、一人息子(吉沢亮演じる)は

 

 

アルジェリアで仕事をし、難民女性との結婚報告に一時帰国した。相手の女性は戦火にまみれた本国で両親を射殺された過去を持

 

 

つ。陶器作りの手伝いからファミリーのような関係になるマルコス(サガエルカス演じる)はブラジルから集団で来日した父がリ

 

 

ーダーのような存在だったが日本が不況になると父は皆に責任を感じ、ビルから身を投げた過去を持つ。半グレのリーダーも妻子

 

 

をブラジル人に事故で失い、恨みを生きがいに生きている男だった。そんな明日のない不幸の塊集団・人間模様が織りなすストー

 

 

リーでも少しは淡い光はあった。国籍を越えてインターナショナル広い心で貧しくとも皆が助け合って生きていこうと映画は語っ

 

ているようだった。

 

 

 

 

画像>映画の一コマ:パッケージにはこう記されている。「その願い、絶望より深く、

 

 

憎しみよりも強靭」「国籍・文化・境遇の違いを超えて家族を作ろうとする人々の感動の物語」

 

 

役所広司はこういう不幸の男を演じると天下一品。飾らない自然さが浮き出て爽やか。

 

 

映画は最後に来るとまるで東映やくざ映画の感あり。仲間をやられたマルコスが単身、半グレのアジトに殴り込みをかける。何故

 

 

かマルコスは殺されないで済み、満身創痍で路上に投げ出される。それをマルコスの妻から伝えられた主人公神谷は憤りを感じ、

 

 

 

 

これまた仲間のチクリケータイ内容を脅し材料にマルコス夫妻に手を出さないよう乗り込む。神谷の息子はアルジェリアで反体制

 

 

勢力に捕らえられ、身代金要求が叶えられなかった為、妻と共に射殺されたばかりだった。せめて息子のように慕ってくれるマル

 

 

コスだけは失いたくなかったのかもしれない。それが勇気となって単身半ぐれ集団アジトに行き、やがて計画通り、

 

 

半グレボスに刺されることにより(計算していた)、犯人を警察に突き出すことに成功、

 

 

命がけで息子のようなマルコスを死守した。ホント、図書館は役所広司ファンが多いのか

 

彼のDVDは多い。この前もトイレ掃除の役所広司を観たばかりだが、今回の陶器職人も

 

身のこなしは本当に職人のようだった。息子役の吉沢亮と一緒に土をこねるシーンがあるのだけど、技の会得は歴然と見て取れ

 

 

た。息子は一人親を思い、アルジェリアから帰ったら陶器の仕事したいと伝えたが、いい返事は貰えなかった。過疎と不況を思え

 

 

ばそう答えざるをえなかったかも知れない。映画は最高の状況から最低のどん底へ振り落とす。息子に子供が出来てその歓喜の報

 

 

告をiPadで伝える。しかしアナログの神谷がそれを即電波で見聞することはなかった。その朗報を知るのが遺体とともに帰国

 

 

した時、遺品として渡されたiPadから聞こえる感涙する息子の姿だった。映画ストーリーは悲しいが人の絆は美しい!