『わたしに会うまでの1600キロ』を観て
最愛の母の死と離婚が続き、その場限りの性や薬漬けに堕落した主人公が泥沼から這い上がる為、試みた改善策が
パシフィック・クレスト・トレイル(以下PCT)に一人挑み、1600㎞の荒行を歩くサマを描く映画。
シェリルと言う実在した人物の原作を基にウィザースプーンが演じた。最初お遍路さんのようにアメリカ横断
例えば※リンカーン・ハイウェイ(1954年開通N.Y~サンフランシスコ間)かルート66(シカゴ~サンタモニカ)を歩行す
るのかと思ったら、PCTと言うのはもっと過酷でメキシコ~カリフォルニア~オレゴン~ワシントン~カナダにまで到達する
山あり谷あり砂漠ありの難所を歩く道程だった。当然女性一人が歩くには無用心で一人もいない。若い男グループが興味本位で歩
むような道である。自分に新しい発見を求めて、過去のしがらみをぬぐい捨てる目的で挑む人々もいなくはない歩旅ではあった。
シェリルのように心身ともに傷つき、そこから脱却するため、より現実より厳しい自然の猛威に打ち克って、現実の寂寥感から
新たな自分を蘇生する修行のような歩旅だった。寒冷高温、雨、雪あり、高山、捕食を装う獣あり、渇水、からかい半分の
いかれたアンちゃんあり、しかし逆に若い女が1600㎞を単独で歩くには、それなりの深い意味があるんだろうと、協力してく
れる人たちもいた。まるで四国八十八カ所巡りと同じである。アメリカ女性のアバウトさ。今までしたことがないキャンプ生活
(調理とかテント張り)、過去に歩行訓練もしたことなくて、ぶっつけ本番でいきなり1600㎞を歩き出す逞しさ、愚かさ。
長期歩行に向かない運動靴や足の豆、富士山に革靴・サンダルで登頂するようなもんだ。(山を舐めた外人に多い)体験したこと
がない苦行を突発的に始めてしまう。然し達成してしまう普通でない人格。これだけのガッツあればいかなる困難も克服できよ
う。
画像>ポスター
BGMも効果的にシェリルを応援した。懐かしいサイモンとガーファンクル「コンドルは飛んでいく」「明日に架ける橋」♪
私も人生後半に来てこういう歩きをしたいと以前から思っている。辛い過去を清算するのにきつい歩行がなり良りの特効薬になる
と思っている。10代の頃宗教はやっていないが山梨県七面山で山の上り下り、滝あたりを単独で寝泊まりしてやったことがある
が頭がすっきりして欲のない生活を送ったこと曼荼羅の境地。(別にお経は唱えなかった)最高に気持ちがよかった。然し下山す
れば世俗にまみれて、悩み多く元の木阿弥、人の欲望は果てしない。四国八十八カ所巡りもしてみたいが総合的(地理的・金銭
的)に無理。もうそろそろ車乗りを止めろと家人に言われているので、歩きやバス巡り、ハタマタ自転車で動き回るのも新転機で
修業に相当するかと思ってシェリルの冒険を熱く観ていた。車社会の田舎で乗らなくなれば新たな冒険と発見が待っているような
気がする。シェリルの歩旅の比にはならないが、自分の新たな1ページにはなりそう。
※過去に「リンカーン・ハイウェイ」を半分読んだ。然しつまらなくて挫折、その時のメモをここに付記しておきたい。
エイモア・トールズ著、オバマ元大統領も絶賛したと言うロード小説である。10日間の出来事をエメット、弟ビリー、施設仲間
のダチェス、ウーリーで綴る。アメリカで最初にできた大陸横断国道。ルート66より早いんかね? 1954年開通である。ニ
ューヨークからサンフランシスコまで。公民権運動、性革命、プレイボーイ発刊、テレビやロックンロールの流行が時代背景にあ
る。約700ページの長編小説 最初10から1へ行く逆算章。話しは母に会えるハッピーエンドでもなさそう。それぞれ4人が
問題・悩みを抱えているストーリー乗っている車はスチュード・ベーカー ルート66はその後完成、二人の学生がサンフランシスコからシカゴ迄珍道中するロードムービーだった。



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