林家楽一紙切りと柳家小もん落語・鑑賞

 



画像>ポスター

 

 



画像>小もん熱演模様➡師匠は小りん、その上の師匠が小さん 会場から待ってましたの声掛かり、小もん感動!

 

 

今年二度目の落語を聞きに行った。今日はそれにプラス楽一の紙切りもあるから楽しみである。最初に高座したのは

 

 

二つ目前橋出身「柳家小もん」である。一寸硬さがあった。折角話をしてくれるのだが目を休めていた。耳は休めていなかった。

 

 

それが紙切りの師匠が出た途端、盛り上げてケッコー和み、笑いが出た後もう一度小もんが登場すると今度は盛り上がった。

 

 

最も話が「長屋の花見」で皆知ってる演目だから聞きやすかったのかもしれない。酒が番茶、大家さん曰く「おちゃけ」卵焼きが

 

 

沢庵、かまぼこが大根の落語である。二つ目だから話法がそう際立っていない。この話のオチは「酒柱が立ってる」である。名人

 

 

正楽師匠から紙切り芸を継いだ楽一さんの方はケッコーリラックスしていて紙を切りながらの笑いは流石だった。先ず馬から切り

 

 

始めた。誰もリクエストしないのに「馬」からやり始めたのは群馬県での仕事で主催者の要望があったためかなと思ったりした.

 

 

たてがみが切りきれないので「馬」と言われれば、そうかなーと言う出来栄えである。まさか「鹿」とは言わなかった。後はリク

 

 

エストに応じ、依頼した人にはファイル付きでプレゼントしていた。面白いのは証拠品なのか切った屑まで渡すんですね。「大谷

 

 

翔平!」と連呼予想された客には二刀流だから

 

投げてる場面と打ってる場面を切った。次に注文が大分意地悪な依頼で「エビが殻から脱皮している途中!」と後方から声を掛か

 

 

った。楽一悶絶、ステージの横で見ていた小もんもそんなえげつないリクエストする奴はどんな奴。緞帳から顔出して客席を見渡

 

 

した。でもさすがにプロの楽一は「これは弱った」風な会話を笑いに変えて完成、影絵風な機械で我々に見せた。出来栄えは極

 

 

秘。

 

 

正にこの土地で最近の事件「土佐犬」を注文するようなリクエストだった。「恵比須様に大黒様」「柳家小さんの芸」「ウサギ」

 

 

と5~6個切ったところで時間が来た。切りながら話したところによると、よく幼稚園や老人ホームにも仕事で行くが、

 

 

両者は動物リクエストが多いと言う。前者ベスト3が「象」「キリン」「カバ」後者が「蛇」「猿」「羊」「イノシシ」・・・

 

 

干支の注文が多いそうな。共通して果物では何かというと「バナナ」何故か客爆笑。素人目には動物より果物の方が

 

 

切りやすいと思うが、どうなんだろう?私も何かリクエストしようと思ったが躊躇。昔よくテレビで見た正楽師匠より

 

 

一寸芸風が違っているようだった。それに30代の頃夜中短波放送を聞いて、受信報告書を北京放送局に送ると

 

 

絵葉書の受信カードと共にカラフルな切り絵が同封されてきた。多くの中国人がまだ自転車に乗っている時代で、春節だと言って

 

 

民族大移動のように日本に爆買いに来ない頃のことである。下書きもせずにいきなりハサミと紙でリクエストを仕上げてしまう

 

 

即興の才能にいつも頭が下がる。今回は間近で笑いと共に技が見られたので大満足であった。今回は小ホールで50名

 

 

程度の観客で珍しく席が指定されていた。もっと沢山入れてくれればいいのにと思ったが、主催者の事情もあったのであろう。

 

 

今回チケットは二人分貰っていたが残念ながらツレが仕事の為、私一人で鑑賞させて頂いた。こういう楽しい企画は

 

 

二人で楽しむものだと後ろでベラベラまくしたてる老夫婦やおばちゃんグループの会話が耳に入るたび、切々と感じた。

 

 

私の良きラーメン食い仲間で今は亡きYさんは良く一人で東京に寄席に通う落語好きだったが、矢張り寄席は一人で

 

 

聞くもんじゃないなとつくづく身に沁みた。