アニメ「かがみの孤城」を観て
画像>
他の予定を変更して見に行ってよかった。今アニメは子供が見るより、大人が見ても奥が深く、感動して目が離せない。
「かがみの孤城 辻村深雪原作で本屋大賞を取った、言わば大人が読んで面白い小説のアニメ化だった。
最初はSFでストーリーの展開が遅く、何が起こるアニメ映画なのか、期待できる筋立てには見えなかった。
現代病の子供たちの引きこもり、不登校をテーマにした暗い深淵に引き込むホラー仕立てなのかと思った。
然し見終わって全体から見ればヒューマンドラマであり、友達を大事にしようと言う、中々泣かせる中学生7人を
主人公にした話だった。アンデルセンやグリム童話の「オオカミと7匹の子ヤギ」をモチーフにしている。
このアニメストーリーを何処まで詳しく暴露(所謂ネタバレという奴)していいのか困惑する。それは上映する前に係員の人が若
干のアニメの説明をして「かがみの孤城は日本テレビ系列で2月9日放映される予定になっています。」と言ったからだ。
大概私がブログで書く映画は図書館で借りて来た古い物や同館の映写室で上映する低価格で購入した映画の報告だから、
ブログタイトルで見ようとしたり、又は見てしまった方々が再度読む形をとると勝手に思ってしまっていた。
しかし今回は2022年製作で近々テレビで放映するとなれば、幾らテレビ視聴人口が少なくなったとは言え、
10%弱位の視聴率は引き出すことだろう。口コミであれはいいアニメだったよ。それは見ておいた方がいいよと言う
評価が脳味噌をグチャグチャに伝わっていることだろう。だからもうこれ以上は語らない。でも終わりの頃の盛り上がりは
半端じゃない。BGM 高らかに情緒を司る脳味噌を手揉みでグッチャグッチャにカン回してくれる。ついでに涙腺に繋がる
経路まで間口を広げてしまう。涙のつなみが不本意にも睫の堤防をぶち破って溢れ出す。周りの観客は子供だらけ、大人の私が
泣いてどうする。号泣しないまでも爽やかにほろりとさせる虹色のな~み~だ~!
画像>上映前の会場、小さい子には退屈させたかもしれない。
日本のアニメ映画芸術は大人から子供まで水準が高く、世界でも愛され、人種偏見の選考をしてきたアカデミー賞選抜の人たちの
考えも一変させた。公平に平等に評価されれば世界は映画を媒体に繋がっていく。昔「時をかける少女」を見た時、若かったので
そんな面白い小説・映画とは思わなかったが、あういう入れ替わりSFの走りと分かれば、今後再放送等で鑑賞した場合、
見方が変わる。タイムトンネルや時空を超えたストーリーは作る側は楽しんで書けるだろう。私も最近考えるのだが
野坂昭如氏のローエンドロー♪と歌う「黒の舟歌」がある。男と女の間には深くて、暗い川がある。
年を取り男は女性化していき、女は男性化していき、いつまで経っても不可解なまま夫婦を装って生きていく。
ある日二人は一緒に階段を転げ落ち、腕を骨折した拍子に頭の中味が入れ替わる。旦那は奥方の考えていた秘密やら本心を知るこ
とになる。奥方も旦那の隠し事や性格の本質を知る。お互いかみ合わなかった齟齬の一端を知る機会になる。喧嘩するほど
仲良くなると言うが、頭が一時でも入れ替わればもっとお互いの考えが理解しやすいようになること必至。こういう映画誰か
作ってくれないかな。タイトル「時をかける爺婆」絶賛募集中!熟年夫婦必見!
動画>黒の舟歌