コロボックル・ランナー田中希実

 

 

12月24日読売新聞広角多角・編集委員近藤雄二が大谷と田中のことを書いていた。小さな体でアフリカ勢と競う中距離ランナ

 

 

ーの田中希実のことである。彼女は走れる作家を目指す稀有な24歳のうら若き女性で、日本ではトップランナーでもまだ世界に

 

 

は通用しない速さである。

 

 

それに歯ぎしりしてか社会人生活に見切りをつけて、スポーツ留学でケニアへ行き、豪州、米国、フィンランド、タイ、ドイツを

 

 

廻って

 

 

脚力とメンタルを鍛えた。来年のパリオリンピックに向けてのファンタジーの実現を目指している。田中氏は子供の頃から童話が

 

 

好きでいつも身近に

 

 

本があった。日記も10年以上は続けているという。田中氏が一番好きな分野はファンタジーで佐藤さとる氏の童話は暗記するほ

 

 

 

読んでいる。コロボックルと言う3㎝大のコビトの話が特にお気に入りだと言う。コロボックルとは神と人との間に位置する無邪

 

 

気な

 

 

コビトである。彼らの夢は何でも成せる。田中氏もコロボックルに見習って出場したレースで前にランナーなくゴールできることを

ファンタジーしている。「文学界」【2024,1月号】に寄せた記事には「私が走った軌跡がファンタジーになればいいと思っ

 

 

ている」

 

 

夢の実現や如何に?

 

 

 

 

画像>出場者が多くない日本女子陸上界においてミラクル。北口がやり投げで優勝の快挙。果たして今度は「走」の分野で田中氏が優勝することはあるのか?

 

田中希実の日本記録1500m走(2021東京オリンピックで樹立)他に3000m、5000mでも日本記録を持っている。

 

 

この3つの競技は日本人が苦手としてきた種目である。長いようで長くはなく、短いようで短くない、スピードの配分と心肺機能

 

 

丈夫な体でないとスタミナが持たない。他国から見たら虚弱に見える日本に一番相性の悪い種目に見えるのだ。それに敢えて小さ

 

 

い体が挑むと言うから余程意地っ張りのように見えて仕方ない。無謀な挑戦と言うしかない。多く日本記録を田中氏が切り替えたと

 

 

いうことがそれだけ女子でチャレンジするアスリートがいなかったという他はない。競馬ではないがぶっちぎりで後続を引き離せ

 

 

ないレース後半、手足が動かなくなる。後過ぎてもあとから追えなくなる危険性

 

 

もある。中距離走は配分と駆け引きが大事。一番トップに付いて行って鐘が鳴ったら最後の一周400mの勝負に賭ける。中距離走

 

 

は観衆が一番喜ぶ追いつ追われつのデッド・ヒートを呼ぶ過酷で興奮する競技なのである。陸上競技と言う走る・投げる・跳ぶ原

 

 

始的なスポーツはグループでやらない単独の最も生まれた資質が左右する唯一の競技であると思う。一番日本人が苦手と呼べる分

 

 

野である。それに田中希実はあえて挑戦し続けている。だからこそコロボックルのファンタジーを田中は見続けているのかもしれ

 

 

ない。パリで田中希実コロボックルのファンタジーが実現されることを祈っている。

 

 

 

 

画像>だれも知らない小さな国:佐藤さとる 裏表紙とランニング・デッドヒートは月刊陸上競技より拝借、サンクス!

何故メタルも取ったことのないアスリートにメディアは関心を示すのかね、ちょっと見かけがよいから。高学歴だから。

難しい種目に小柄な女子がチャレンジしているから。相撲で言う翠富士の応援みたいなもの?