マンガ「痴人の愛」を読んで

 

文豪谷崎潤一郎のこの小説は読んだことはない。でも幾つか読んだが豊富に語彙を使い

 

分ける美文は三島由紀夫や夏目漱石と同じ錬金術師を思わせる。私は「痴人の愛」と

 

「瘋癲老人日記」を取り違えていたようで、マンガを読んで少々がっかりした。

 

少年の頃大映で映画化され、若い女に若尾文子、老人役に山村聡のポスターを

 

見た時、見たくて映画館に行ったら「18歳未満お断り」の立看があったので、

 

がっくり来た思い出がある。小中学生の頃街頭には沢山の18歳未満映画が氾濫

 

していて,性への目覚めを早めた。洋画の看板など女性のバストが遠慮なく

 

ポスターとして貼りだされていた時代である。瘋癲老人日記の方はどういうストーリー

 

だが詳しくは知らないが老人の性の目覚め、痴人の愛はSM じみた男女の関係性と

 

いった所。ドMな堅物主人公河合がカフェで知り合った15歳のドS女にいいように

 

扱われるストーリーである。若い頃はこんなアブノーマルな世界にちっとも関心は

 

なかったのだが馬齢を重ねるごとにお好みでしたら、どうぞ!寛容な気持ちも湧いてき

 

た。世界的にLGBTが承認される時代である。映画は若い女を自分好みに調教して育て

 

る完全なる飼育シリーズのように見受けられる。痴人の愛も

 

最初はそうだったのだが、敵もさるもの、年を重ねるごとに形勢は逆転して堅物男の方が

 

調教されていく、作家谷崎潤一郎日常を垣間見るようなドM世界が広がっていく。

 

 

 

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耽美で妖艶な世界を描くことで主人公のナオミは一世を風靡し、昭和初期ナオミズムの流

 

行を生んだ。小金持ちはこういう小悪魔を連れて銀ブラすることが流行った。谷崎には又

 

フェテシズム嗜好も顕著で女性の足の指を舐めることもお好きであったと記憶している

 

が・・・。マンガストーリーは紆余曲折もありながら、すいてすかれて元の鞘に収まり

 

「完」となっている。男の生きたお人形さん遊びのようなストーリーである。

 

谷崎潤一郎は親友の佐藤春夫と奥さんを交換したり、西欧人にありがちな性癖があって

 

既成の概念に留まらない作家人生を送った。谷崎を読むと難解・韜晦な日本語のボキャブ

 

ラリーの豊富さを教えられる。