森村誠一氏の死を悼む

 

今年7月森村誠一氏が亡くなられた。「人間の証明」「野生の証明」「白昼の死角」「悪魔の

 

飽食」等‘80年代角川映画が盛んだった頃、よくテレビで宣伝していたのが「ママ~ 

 

Do you リメンバー?」ママ 僕の麦わら帽子は何処へ行ったんでしょう❓黒人の子が戦

 

争で廃墟となった日本で育ち、生きた母親をしのぶ映画・・・・「人間の証明」森村誠一

 

氏原作の映画化されたキャッチコピーであった。あの頃森村作品を映画も見たが、小説も

 

幾つか読んだ。読んで気付いたことは森村氏のテーマの中にある「憎悪」だった。

 

ノホホンと20年以上気楽に生きてきた自分の中にない感情とはこれだと思った。

 

私はどんな時も人を恨んだりしたことがなかった。ぬるま湯で育った環境は

 

そんな感情をDNAからも排除されてヌクヌクと育った。それが自分の成長を止め、

 

気迫をそぎ、進展のない惰性的な人生を送る障害になっていることを気づかされた。

 

森村氏の小説に登場する主人公の多くは憎悪に満ちている。生きる上、上昇する原動力に

 

なっている。私もノホホン人生から脱出したい。その上は下降地点にある現在の地点から

 

私自身を攻撃する者に対し、起爆剤にして、やる気を見せてやろうと当時思ったものだ。

 

やがて本も読めないサラリーマン時代が始まり、細菌部隊731部隊のことが

 

森村氏の作品であることも気づかず、再び本を読み始めたのが2006年パソコンで

 

blogを書き始めた時からだった。「悪魔の飽食」と言う小説のようなドキュメントは

 

やはり日本人って恐いな!一言に尽きる。特攻隊のような闘争方法を考え出すのも

 

異常だが、人命の尊さと言う観念が仏教国でありながら全くない。己の栄誉のことしか

 

考えていない上層部しか存在しない。人間をあれほど憎んだ森村氏はホテルマンとして

 

虚構の精神でお客に接していたため、積もり積もっていつも本音と建前のはざまで

 

苦悶していた。舌打ちし歯を食い絞って耐えた人生であったかもしれない。----――

 

 

画像>森村氏書籍

 

悪魔の飽食に

 

ついて語ればマルタと称する死刑覚悟の捕虜の扱い、モルモット以下の飼育、何か弱みを

 

握られた人を扱うってこういうことなのか?我々も究極の戦場下に放り出されたら、こう

 

いう人になってしまうのか?731部隊の人体実験捕虜は3000人いたが帰還者ゼロで

 

あったという。二日で3体が確実に実験材料にされ葬られた。あのナチスドイツのアウシ

 

ュビッツ収容所でさえ、帰還者は沢山いたというのにである。次からは心臓の弱い方は読

 

まない方がいいと思われる人の実験法を列挙する―――――(以下は悪魔の飽食より抜粋)

 

生きた人間をマルタと呼び、遠心分離器にかけて生き血を絞る搾血実験。

 

真空室に放り込んで内臓が口や肛門、耳や目を破りはみ出して死に至る様を16ミリ

 

記録映画に撮影する真空実験。マルタを検体にした梅毒実験。人間の血を猿や馬の血

 

と交換する代替輸血実験。胃と腸の位置を逆転する「イチョウ返し」実験。

 

マルタを縦列に並ばせて銃を討つ貫通力実験。戦車に閉じ込めたマルタに火炎放射機を

 

向ける耐熱実験。空気静脈注射実験。女性マルタの生殖器を中心とした解剖。

 

各種細菌の感染実験…・等々

 

こんな内容を戦後全国に散らばった元731部隊隊員を訪ね歩き、重い口を開かせた

 

記録。その中でも戦慄極まる実験が暴露されている。生まれて数か月の赤ん坊の

 

血を全部抜き取って亀くらいの大きさにした後、馬の血を入れ替える実験。

 

赤ん坊は1分半余りで絶命。人の血液型はA,O,B,ABでも拒否反応が出て、命をなくす

 

患者がいるというのに、動物の血で人の命を賄えるはずがない。殆どお遊び状態で

 

人体実験を繰り返していたのに過ぎない。正に731部隊は悪魔の館であったわけだ。

 

どうせ捕虜は殺してしまうのだから医学のため?将来の人のため?実験材料になって

 

貰おうなんて悍ましい考えだ。こういった一連の実験データは石井部隊長が戦犯に

 

ならぬよう又、ソ連や中国に身柄を引き渡されぬよう、アメリカ政府と掛け合って

 

難を逃れた。アメリカ政府も膨大な実験データがソ連や中国に渡るのを恐れた。

 

戦後すぐ起きた帝銀事件なども関与しているだろうし、朝鮮戦争やベトナム戦争でも

 

これらデータが活用されたことは間違いない。人は持っているデータを確かめたい衝動に

 

駆られる。

 

生き物であるからね。私は何故この731細菌部隊のタイトルが「悪魔の飽食」と言うの

 

か、ずっと疑問に思っていた。そしたら「ノート」にこのタイトルの由来が書かれてい

 

た。戦時中どこの部隊も国民も殆ど食べ物が無かったのに、731部隊の献立表が出て来

 

て、その豪華食品には目を見張るものがあった。戦争中彼らはマルタを実験しながら

 

ビフテキやメロンを毎晩のように食べていたのだという。元隊員の奥さんはこの事実を知

 

って「私たちが雑草を食べていたのに、あなたたちはこんな贅沢をしていたの」

 

悪魔の飽食、呆れた飽腹、飽腹絶倒である。でも同じ日本人がこんなことをしでかしてい

 

た。ホントに恥ずかしい。

 

 

 

 

動画>人間の証明・主題歌