マンガで読破 エドガー・アラン・ポー
「モルグ街の殺人」と「盗まれた手紙」2作を漫画で読めた。
江戸川乱歩と言う日本を代表する探偵小説家のペンネームは、このアメリカ人推理作家の
もじりである。生存中は殆ど評価なく、亡くなってから評価が出て来た。
そう言う作家なり画家は世の中に沢山いる。宮沢賢治しかり、石川啄木しかり、中原中也しかり・・・画家で言えば「ひ
まわり」で有名なゴッホ、印象派の人達である。
したらどうして世に出るか?無名の作家なり画家なりを推賞する評論家なりがタイミングよく出現するからである。私は
アラン・ポーの文庫本、創元社だったか全集4巻を
全て読んだ。推理小説は勿論のこと日記のようなものからメモ風なものまで20代の頃
読んだ。今ではどの出版社でもポーの文庫本を出している。文庫本を出すと言うことはそれなりの売り上げが期待できる
からである。でも内容は遠~い昔過ぎて思い出せない。
でも「モルグ街の殺人」の犯人ことはよく覚えていてパリの一区で起きた密室殺人事件、
2人の女性が無惨に殺されたのにパリ警察は其の捜査に行き詰っていた(モルグ街は架空名)
そこに登場するのが貧乏貴族のオーギュスト・デュパン、後のシャーロック・ホームズや明智小五郎登場のヒントになっ
た探偵的要素の強い主人公である。デュパンには「私」と言う会話相手が出没するが、シャーロックにはワトソン、小五
郎には小林少年と言う脇役が登場する。19世紀初期大衆が喜ぶ推理小説の基礎を作り上げたのがエドガー・アラン・ポー
と言うことになる。テレビのサスペンス劇場がケッコー視聴率を取るのは、人間はそもそもが
他人の不幸や覗き見的好奇心が強い動物であることを立証しているように思う。
ポーはアメリカ生まれだが両親の離婚によってロンドンの地に着いた。
当時フランスではボードレールの頽廃・憂鬱・絶望の詩「悪の華」が持てはやされており、
そう言った作風が貴族やインテリに刺激を与えていた。ロンドンに渡ったアランポーにもアメリカとは違った落差の大き
いヨーロッパの経済が身に沁みたと予想できる。
画像漫画表紙>
「盗まれた手紙」はさる貴婦人が政敵の政治家に大事な手紙をパーティ会場で易々とで盗まれてしまう。それを取り返し
て欲しいと言う警視総監の依頼で取り戻すストーリー。
手紙を盗んだ悪党大臣は政府の中枢にいた。手紙の内容が世に出たらこの悪党はトップに立つこと必至。どうしても取り
返さねばならない。頼まれた警視総監は留守中隈なく捜索したのだが、見当たらない。そこで4000フラン出して盗まれた
手紙をデュパンが取り戻すのだが・・・・。デュパンは昔ウィーンにいた時、公衆の面前で貧乏貴族と家系を馬鹿にされ
た怨みがあった。借りを返すことが出来悪党大臣のトップの道が断たれることに繋がった。ざまぁ~みろとデュパンはほ
くそ笑んだ。この小説も「モルグ街の殺人」同様、置いてあった手紙の場所が、何だ、それ?面白くも楽しくもなんとも
ない。現代のサスペンス劇場のストーリーの方が手を変え品を変え複雑で頭が混乱するほどバカバカしくていい。
19世紀初期の推理小説はその時代のインテリ層には受け入れられず、20世紀に入って
多くの作家に認められたのである。

