井原西鶴「好色五人女」コミックを読んで

 

姫路・但馬屋お夏

江戸・八百屋お七

京・大経師暦屋おさん

大坂・樽屋おせん

薩摩・琉球屋お万

 

ウチは文学部出だが近世は歌舞伎や上田秋成は単位を取ったんやけど、浄瑠璃台本や戯作者等単位は取ったことがあれへんか

 

った。尤も西鶴は戯作者ではなくれっきとした浄瑠璃作者で。その殆どは小屋で上演された。ウチの教授に井原西鶴、近松門左衛

 

門研究者おらへんかった。中世・世阿弥とか近代・現代は仰山おったけどな。


西鶴は関西の人やから西の男女情欲事件を題材にされることが多かったんや。江戸のスキャンダルも題材にしたのは、大入り満員

 

を目論んでのことやろ「。好色五人女」の中のお夏清十郎や八百屋お七の事件はうちも知っとるが、関東人なので下記の3つはよう

 

知らん。

 


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天満屋の上女中おせんは仲人好きな婆さんの手引きで樽屋職人と伊勢参り方々見合いした。しかしそこには婆さんのガードマン

 

として頼みもせぇへんのに同行してきた女好きな久七が間に入った。おせん目当てやで。


外宮参拝を済ませ久七をあんばいようまいた、樽屋とおせんは晴れて夫婦になれた。時は流れ2人のガキに恵まれた夫婦は腕のい

 

い樽屋で繁盛した。或る日お客の50回忌の手伝いにおせんは出向いてんけど、良からぬ誤解を受け主の長左衛門と姦通したと女

 

房に疑われた。実際にしてもおらん姦通疑惑に両者は其れならおせん宅でやらかしぃ、麹屋の女房に一泡吹かしてやろうなんて、良

 

からぬ考えが浮かぶ。


そこを寝とったおせんの亭主に見つかって、近所で大騒ぎされたもんやから、姦通疑惑であっても市中引き回しされ,磔、刑場に晒

 

し首が相場、おせんは自らの命を絶った・・・・・。


薩摩島津藩の源五兵衛は色男だが同性愛者、それに琉球屋の跡取り娘が恋心を抱く。然し相方の若衆の死で世の無常を感じ、

 

源五兵衛は髪を剃って仏門入る、嘗て世迷言に恋文を送ったことがあるお万は忘れられず、庵を訪ねる。ストーリーで西鶴編集(好

 

色五人女)はハピーエンドに終わらすのが常。実話は心中やったが琉球屋の婿に入って5話を終わらせとる。「人に虚実の二面あ

 

り」と井原西鶴は結んでおる。


大経師暦屋の女房おさんは経済的には恵まれとった。或る時亭主は城の襖や障子の張替えで3カ月留守になりよった。店番は茂

 

右衛門、何ぞが起こる予兆やで。茂右衛門は色男やったさかい店で働く女たちにもてとった。ある時雇われの女中?リンが茂右衛

 

門に惚り、おちょくり半分にリンの寝床におさんがいて、脅かす余興をやった。


身分のちゃう者同士最初は遠慮がちやったけど、やがて本気に・・・。


小舟で逢瀬を楽しんだりしぃ、心中に見せかけ、恋の逃避行にまで直行便。丹後の山ン中で仲睦まじく暮らしとってんけど、京に出て

 

豆を買ぉた所で足が付いた。おさんは刑場の露と化す。何故かリン迄が獄門。刑場跡にはおさんの碑が建っとる。

 

① の姫路・但馬屋お夏、つまりはお夏清十郎の悲劇を知れへん人のために一言:醤油屋の

 

手代が清十郎、そこの一人娘がお夏。駆け落ちして大阪に向かった船が逆戻り。盗んでもお

 

らへん金子700両の濡れ衣を着せられ、磔刑、お夏は発狂?消息は不明


② 八百屋お七の話はここでは一番有名。吉三郎との恋に,会いたい見たさは募るばかり。

 

火を付ければ避難したお寺で会えるだろうと八百屋八兵衛の娘は放火。鈴ヶ森にて火刑に

 

処す.吉三郎は僧となってお七の供養行脚の一生を貫く。

 

コミック画は銀河鉄道999松本零士細君、牧美也子さん.女性漫画家の草分け。表紙のカラー写真を見ると、ちょっと挿絵で著名な

 

岩田専太郎氏かと思ったくらい繊細。でも牧さんの女性画は首が長いのが特徴的。一寸現実味に欠ける。又女性作家全般に言える

 

ことだけど、男を描けば女性的。そして男の漫画家も女性を描けば男性的な線になる。私も失敗したことがあって、良く社内婚する

 

二人に色紙で絵を描いてプレゼントしたのだが、男はいいが女性がどうしても男性的になってしまった。男は簡単に仕上がったが女

 

性画は手が掛かり、出来栄えが悪かったことを思い出す。好色五人女の登場人物も牧さんは浮世絵の如く、色っぽく描いている。江

 

戸や上方の人々もイギリス・シェークスピア4大悲劇に涙したように世界共通して弱い者の味方である。子供時代受験対象の中にな

 

い美術や音楽等は無駄だと思った時もあったが、人間、道徳教育も含め情操教育は必須であろうな。キチンと全般に渡って教育を

 

受けてさえいれば,片輪なプーチンのような人間は形成されないよう思う。