『アメリカ本土を爆撃した男』を読んで

 

21世紀に入って間もなく、ある日テレビを見ていると、映画のワンシーンのような衝撃映像が目に入って来た。えっ

 

これって現実????所謂9.11多発テロによる貿易センターへの飛行機2機のアタックである。この時アメリカ政府は有史以来始め

 

て本土を外敵に侵害されたと報じた。第一次大戦でも第二次大戦でも戦争に参加したアメリカは一度とて本土を外敵に攻撃された

 

ことはなかった。

 

多分多くのアメリカ人も大部分の日本人も・・・そして私も始めて知ったのだがアメリカと戦争中の昭和179月日本の戦闘機は?

 

アメリカ・オレゴン州の森林地帯に2度にわたって、焼夷弾を落とし山火事を起こしていた。事の起こりは真珠湾を不意打ちされたア

 

メリカ軍が仕返しに昭和17418日、東京を含む6都市に

 

B25・16機にて爆撃飛来したことに始まる。これに驚いた日本軍部は密会で天皇の弟高松宮殿下にアメリカ本土を爆撃する手立て

 

はないかと聞かれた。そこで浮かんだ奇想天外な仕返し爆撃とは?

 

有史以来アメリカ大陸に侵害を与えた戦略とは?

 

潜水艦(イ25号)で米本土へ向かう。その潜水艦に備えてある世界唯一の折り畳み飛行機、ホントは偵察用のフロート付き水上機な

 

のだが、これに焼夷弾76kg2つ積んで、アメリカ本土へ落とせと言う命令が下った。しかし民間人を狙うことは国際法上違反なの

 

で、森林を焼き払い米国民の戦意を喪失させると言うのが狙いだった。アメリカは6都市の民間人を標的にしたが、日本はまだアメ

 

リカとの戦争に展望・優位性を見ていたのか?

 

与えられた任務は操縦の天才肌藤田信雄中尉29歳に託された。

 

小型セスナ並みの偵察機で76kgの爆弾2本積んで、30mの滑走路をカタバルト射出で飛び立つ。難易度は重度、成功はイチかバチ

 

か、サーカス曲芸に匹敵した。藤田信雄氏はこのシビアな任務を託されたことに軍人冥利を感じ、爆撃の成功を誓った。暁の中全

 

8.5m340馬力の本来偵察機は敵地のレーダーをかいくぐって、オレゴンの森林地帯に向かって高度3000mから900mに落とし爆

 

撃した。さて上手く敵に攻撃されず、太平洋に舞い戻ったが、潜水艦が見えないと言うことは多い。上空から見れば大海原に点でし

 

か潜水艦は確認できない。時間と地点を確認していても爆撃同様至難な業だ。優秀なパイロット藤田氏は運よく発見、潜水艦に横

 

付けすると自らも含め7分間で元通りに畳まねばならなかった。格納庫にしまわなければ敵機に発見されて総攻撃を食らう。こんな

 

物流も少なく血も汗も凍るような戦いを巨大なアメリカとやって来たわけだ。尊い命を賭けて国や親、妻子を守るため戦って来て、そ

 

の挙句無念にも命を落とした兵士に靖国の英霊になって参拝しても、何ら問題がないと思うだけれど・・・・・。若者が国の戦争に否

 

応もなく駆り出され戦場に散った命。遺骨は母国にあらず。

 

拾うことも出来ない海や泥沼の戦地で散らばってしまった彼らの遺骨をせめて拾い集めることが不可能なら、祀った神社で慰霊を静

 

かに祈ってあげたい。手を合わせ頭を垂れてこの平和があるのはあなた方の酷い犠牲の上に我々は頂いた、そう報告してあげても

 

罰は当たるまい。

 

この「アメリカ本土を爆撃した男」は終戦の日にUPしたかったが残念ながら、私の誕生日に近い日になってしまった。終戦後生まれ

 

た私は戦争の苛酷さ愚かさを知らず、戦争を経験した両親に育てられたが、食料枯渇の中捨て身になってよくぞ育ててくれはった。

 

もう直接御礼できない境遇になってしまったが、星の瞬きが「ウン、わかったよ」という返事と解釈して夜空に向かって合掌する。

 

「アメリカ本土を爆撃した男」の主人公藤田さんの功績は日本ではずっと秘匿されてきたが、米国では偉大な業績と高く評価されて

 

来た。微笑ましい後日談があるので次回UP予定している。あしからず。

 

書物は2つある。今年発売のものと7年前サンケーの人が書いたもの。タイトルは似ているが、内容はほぼ同じ。最新のものは藤田氏の日記を掲載している。