映画「グリーンブック」を観て
久しぶりに面白い映画を見た。黒人のピアニストに雇用され、
’60年代のアメリカ南部を演奏旅行する運転手との交流をコミカルに描くヒューマン・ストーリー。
2018年アカデミー賞3部門に輝く(脚本、作品、助演男優)珠玉作品である。ニューヨークを起点にピッツバーグ~オハイオ~ケンタ
ッキー~ノースカロライナ~嘗て歌手ナットキンコールがツァー回りして迫害を受けたそのコースを敢えて回る。黒人には差別・偏見
の激しい地区を黒人ピアニストドクター・シャーリーはチャレンジしようとしているのだ。
トリオで回るツアに白人が運転手・ボディガードとして雇われ、一緒に8週間も南部に旅をする。3人の白人は兎も角黒人ピアニストは
泊まるホテルもトイレもレストランさえも限定される。そこで活用されるのが映画タイトル
にもなっている「グリーンブック」
黒人用のモーテル、ホテル、給油所をリスト化したガイドブックなのである。道連れに雇用されることになった運転手兼ボデイガード
が、トニーリップ(ヴィゴ・モーテンセン)と言うナイトクラブ「コパカバーナ」で用心棒をしているイタリア人。祖先にゴッドファーザーと親
しくしていた家系を持つ単細胞だが情がある男であった。一様この映画は実話に基づくものであると言われる。
少々品のない男がドクターと呼ばれる品格あるピアニスト(マハーシャラ-アリ)と、長く車中で一緒に暮らしていると段々気心が知れ
て来る。黒人白人の域を越えてお互いが相手の良さに魅かれていく。自分の足りないウィークポイントを補う関係に進展していく。見
ていて微笑ましい間柄になって行くのである。(ドライブ中リトル・リチャードの歌がラジオで流れる。ケンタッキーフライドチキンを一
緒に食す)トニーがシャーリーの所へ面接に行った時、シャーリーはカーネギーホールの上に住んでいた。身分も違うし黒人蔑視の
偏見も持っていたから、例え用心棒の仕事がナイトクラブ建て替えで長期無収入になるとはいえ、尻をまくってお断りした。
然しシャーリーには気に入られ、断りの理由が妻子持ち、クリスマスイブに間に合わないかもしれない遠征。それをシャーリーは察知
して夜中トニーの奥さんにクリスマスイブにはお返しするから、是非旦那を8週間貸してくれと懇願する。そんな訳で週休125ドルで請
け負うことになったとさ。こういうアメリカで長年社会問題になっている人種問題を映画化にしたテーマは多い。どれもこれも傑作で過
去に幾作品か見ている。古いものでは「手錠のままの脱獄」
トニー・カーチスとシドニー・ポワチエが好演した。最近では
金持ちの白人と自動車修理工の黒人が「棺桶リスト」を中心に
人生でやり残した贅沢を二人で一緒にやってしまおう!「最高の人生の見つけ方」(ニコルソン&フリーマン)もブラボー❣な映画だ
った。
タイトルは似ているが「最強の二人」車椅子生活の白人を補佐する黒人の介護士の映画も喝采の拍手を捧げる素晴らしい映画だっ
た。
一寸ニュアンスは違うが黒人の歌手(ホイットニー・ヒューストン)をボディガードする白人役ケビン・コスナーの映画も人種問題を越
えてほのぼのとさせる名作だった。
動画・予告編>
8週間のコンサートツァは牢獄に入ったり、(この時は司法長官ロバート・ケネディに電話して出して貰った)シャーリーが白人バーで
暴力を受けたり、帰る日は吹雪になり、トニーは疲れから運転不可となり、それを雇ったシャーリーがあべこべに運転することで無事
ニューヨークの家に辿り着くことが出来た。クリスマスイブの晩餐にシャーリーを迎えることが出来て、外は大雪でも「ハレルヤ」で
万々歳に終わった。一番の強い印象シーンは演奏最終日食事を一緒にしようとするシャーリーにオーナーが同席を拒んだ(南部の
慣習)、仕事をキャンセルした二人の行き先が黒人バーだった。二人でカティサークを飲み、ここでシャーリーが弾いたクラシックと
バンドと一緒に奏でた即興ジャズが圧巻だった。ここ映画の曲ではないがシャーリーのピアノ伴奏と予告編の映像をUPしてこの映画
の余韻に耽りたい。
シャーリーピアノ演奏>

