コミック水滸伝 第3巻を読んで

 

今巻は大酒飲みの「鉄牛」が主役だった。

 

酒を飲み過ぎさえしなければ斧の二刀流大男で、向かう所敵なしの豪傑だが、鯨飲すると失敗を繰り返す落語や講談によく出て来る

 

キャラクターなのである。

 

水滸伝には酒豪3傑と言って今巻大暴れする黒い顔の鉄牛。花和尚と呼ばれる前巻に登場した魯智深。そして今後登場するであろ

 

う酔っ払っても虎を成敗した「酔拳」の祖「武松」。楽しみは尽きない。

 

画像:本>

 

尤も今巻では母親を虎に食われてしまった鉄牛が怒り心頭、虎穴に入って虎を殴り殺す。豪傑の話は何処の国でも熊や虎,獅子を

 

倒す話盛り沢山。この水滸伝コミック(横山光輝画)は50年前に出版されたもので、当時の中国の山村部の話も学者等のコラムで

 

掲載されている。水滸伝の頭領の故郷が宗家村であった情報がある。

 

まだ水滸伝・宋江は観光化されておらず、羊の群れが道を塞ぐ長閑な田園風景が広がっている。宋江は実際存在したし、物語上は

 

有名だが史書には載っていない唯の人である。ホントの宋江は梁山泊の一員であることをパクると脅され、匿っていた愛人を殺すほ

 

どの人物だったらしい。一般的には唯のアウトローだが、英雄仕立てにしたい作家に掛れば、民衆が歓声を挙げるヒーローに成りあ

 

がる。そういう人物が沢山出て来て権力に立ち向かうストーリーが水滸伝である。今読んでいるコミック水滸伝は全6巻あるので、春

 

眠暁を覚えぬ春先寝枕で一読して行こう。

 

画像::左手にある巨像は宋江像、但し50年前の写真である。

 

 

 

 

尚、余分なことを申せば「水滸伝」は「三国志」「西遊記」「金瓶梅」と並んで中国4大奇書、国民愛読の2大歴史書と言うのが、この

 

「水滸伝」と「三国志」であるそうな。尤も後者は家柄の良い子孫が三国で決死の戦いを綴ったストーリーに対し、前者は犯罪を犯し

 

たアウトローが時の腐った権力に立ち向かう、これまた決死の姿を描く。個人の嗜好・価値観が真っ二つに分かれる読み物である。

 

私としては豪傑でアウトローのキャラクターを好む体質のようである。