宮沢賢治作:銀河鉄道の夜をコミックで読む

 

8時ぼんやり夜空を眺めていたら「ふたご座流星群」が見えた気がした。昭和30年代子供の頃は日没すぐでも流れ星は見られた。

 

昔と違って空想を好む子供には夜空は詰らない世界になってしまったな。宮沢賢治も世の恨み辛みを忘れて野原に寝転んでは星を

 

眺め、精神のバランスを軸に戻す想像をあれこれ巡らしたのだろうな。

 

―――――この前フーフで鬼滅の刃、無限列車を見て来たが、この映画ストーリーの発想も数十年前大人気を博した松本零士作

 

「銀河鉄道999」も宮沢賢治作「銀河鉄道の夜」なくして語れない。

 

そしてこの作品が宮沢賢治の詩「風にも負けず」同様、亡くなってから注目された作品である事を知っている人は少ない。宮沢賢治

 

が生きた時代は経済どん底の1930年代、文筆業で生活できるような時代ではなかった。しかし賢治は働く傍ら、懸命に創作活動に

 

勤しむ。

 

然し貧困と過労は元々丈夫でない体を蝕んでいく。賢治は四十路にもならない年齢で結核の為他界してしまった。暗く貧しい時代に

 

書かれた多くの作品は夢や冒険に満ちているが、時代が影を落としていて、どの作品もモノクロトーン。

 

 

 

銀河鉄道の夜の主人公「ジョバンニ」は母一人(病気)子一人、父親は牢屋?(魚の密漁)。学業(小学生)の傍ら印刷所でアルバイ

 

トをする。戦前子供は農業等で働かされることが多かった。そんな辛酸舐め放題の人生の中で、いじめにも会い一人で星を眺めて

 

いるとスッキリした。すると「はやぶさ2号」地球に帰還のような光球が流れ、銀河ステーションが現れ、銀河鉄道列車も発進する合

 

図がでた。ここからジョバンニと友好が遠ざかっていたカルパネルラとの銀河鉄道の旅が始まるというのが、宮沢賢治の童話であ

 

る。

 

星座祭りの夜、一人夜空を眺めていたら眠ってしまい、銀河鉄道の旅の夢を見ていた。と言うのがストーリー。

 

夢の中の話であるから辻褄逢わず、ストーリーに一貫性を欠く。

 

白鳥駅で牛の化石が発掘された。鳥を取るのを生業にしている男が、その鳥を食えと言うから食ったらお菓子だった。沈没したタイ

 

タニック号で亡くなったと思われる家庭教師と教え子二人、彼らの多くはサザンクロス駅で下車した。どうも亡くなった人々が葬送さ

 

れていく列車が銀河鉄道のようなのだ。天国へ行くのに列車が走って行くロマン。だから目が覚め現実に戻ると親友のカルパネルラ

 

も同級生を救うため、川に流され死んでいた。

 

星と鳥に造詣が深い賢治は「銀河鉄道の夜」に沢山の星名、鳥名を入れている。しかし賢治はこの作品を自分の代表作と信じ、推

 

敲に推敲を重ね、納得するまで書き直していた。その途上で残念ながら病に臥した。人生中々意のままに行かないものである。幸い

 

賢治の作品を高く評していた友人が賢治のメモに「風にも負けず 雨にも負けず」を発見し、世に出した。続いて「銀河鉄道の夜」も

 

僥倖に恵まれ、埋もれずに済んだ。何か賢治の人生観が冒頭のさそり座の教訓に暗示されているようでならない。サソリはイタチに

 

命を狙われ、かろうじて井戸へ逃れることで助かったと思った。しかし溺れ行く自分を回想してイタチに食われるべきだったと悟る。

 

すれば自分は死ぬが食われればイタチは生き延びられる。皆の幸せのために自分の命を使いたい。その思いがサソリは星となり、

 

真っ赤な輝きを見せているのだと・・・・・。美川憲一も「さそり座の女」♪を歌っていますね。今日は山口百恵の「おとめ座宮」♪の歌

 

を聴いて薄幸の詩人宮沢賢治を偲びましょう。