宇宙戦争 H・Gウェルズ作をコミックで読む
昔々トム・クルーズ×スピルバーグ同名の映画を見たような気がするが、内容は殆ど憶えていない。似たようなSFパニック映画を
Wって考えてしまう。宇宙人vs地球人の戦争がどういうものだったか❓俄かに思い出さない。そう私メ認知症予備軍仲間入り寸
前。
19世紀イギリスで火星人に侵略された地球人がどういう戦い方をしたか、H・GウェルズがSF小説にした。この時作家は火星人は
頭がデカく、手足は退化した蛸のような容貌にした。これが起点となって以後火星人と言うとこういう姿形が定番になった。
林家木久扇師匠が良く高座で言うような喉仏を叩いて、「わ れ
わ れ は 火 星 人 だ !」とデジタル音口調で地球人にメッセージを送るかどうかは知らない。この「宇宙戦争」を例の
イーストプレス社の漫画で読んだのだが、100年も前に書かれた物とは信じがたいほど、内容が濃密で目新しい。ウェルズは人間
として牧師と軍人は信用するにあらずと言う認識を持っていたようだ。ストーリーに出て来る二人は共に俗物に描かれている。熱
心な信仰心と富国強兵のイギリスの時代にあって、ウェルズの眼光は辛辣で不信に満ちている。
6月の或る日、世界最大の都市イギリスに隕石が落ち、そこに3本足のトライポットがあった。地球人がウェルカム!挨拶をする
といきなり毒ガスを撒き、火炎放射を振りまいた。火星人の目的は地球制覇であり、人の捕食である事が分かった。火星のトライ
ポットは次々と地上に降りたった。その中から蛸のお化けのような火星人が続々と出て来た。世界最大リッチな国イギリスの最新
兵器もそうは役に立たず、ロンドンの人達はこれは命が危ないと避難し始めた。主人公ロズウェルも妻子を安全な従兄の家へ避難
させた。やがて安全と思われた妻子のいるレザーヘッドにも火星人が侵略したニュースが耳に入った。もはやもう生きる望みも薄
くなり、食料も底をついてロズウェルは破れかぶれになってトライポットに武器なしで立ち向かっていった。したら摩訶不思議、
巨大なトライポットが大きな唸りを上げて、ビルにもたれて倒れ込んだ。どうしたことか?不審に思い辺りを見渡せば、火星人の
蛸たちも炉端屋で焼かれた食材の様になって倒れていた。
ストーリーのオチはなんとあっけらかんとしたエンドマークで、(以下ネタバレ)火星人は地球の細菌(ウイルス)にや
られて死んで行くのだった。散々地球を荒らし回り、呼吸をし、人を捕食して、その果てにウイルスにやられて,地球制
覇は敵わぬ夢となった。人間牧場を作りいい種の「タネヒト」をドンドン繁殖させて、地球に居座ろうと計画したのだ
が、思わぬ伏兵に足を掬われることになった。「われわれは地球人(イギリス人)に負けたのではない。ウイルスに負け
たのだ」と…‥。蛸部屋から声が聞こえるようだった。
火星は太陽系第四惑星.大気も存在するが95%は二酸化炭素である。
重力は40%、火星人が地球に降り立った時、その重さに耐えかねてノロノロと歩かざるを得なかった。赤錆に蔽われた火
星は20世紀以降、地球人が行く番になっている。火星人よ隠れてないで待ってろよ。でも細菌兵器を作るのが上手い中国
が降り立ったら、火星の細菌で息の根を止めてやれ!お国ファーストを唱えるアメリカが降りたったら、お前ら月と間違
えるんじゃないと着陸を断れ!でも19世紀に君らが降りたったイギリスとジャパンの宇宙船が来たらマース製オリジナル
「たこ焼き」を振る舞ってくれよ。




