『ペスカドレッシングと手作り柚子胡椒』

 

最近気にしているのかもしれないが、テレビで群馬の食情報が多い。

 

テレビ欄を見て群馬の食が目につくと、大概チャンネルを回す。

 

今日は前橋イタリアンレストラン「ペスカ」の店前の自動販売機に自社製品のドレッシングを置いている話題だった。それが爆発的に

 

売れて子供さえ御飯の上に載せて食しているフィーバーぶりだ。

 

へぇ~夜間でも閉店している時でも買えるドレッシングねぇ~。

 

『お主、只者ではないな』そう感じさせるレストランオーナーだった。早速ミーハーフーフは前橋方面へ行った時はその店を訪ね、一

 

本自販で買おうと言うことになった。広いペスカの駐車場に着くと、さすがテレビ放映されて23日、開店前だと言うのに目的の自販

 

ドレッシングを求めて56台の車が止まり、自販の前には客が数人屯していた。然し客たちはドレッシングを買うでもなく、自分たち

 

の車へ戻って来た。ミーハーフーフは「どうした?」と首を捻った。

 

ペスカ自販機の前に立つとすべて売り切れ。流石テレビ放映の影響力の強大さを痛感した。

 

 

 

然し下方に売り切れの場合、11時開店したら店内でも販売している旨の通知があった。だが開店までまだ数10分あるので、開いて

 

いる店内に図々しく入り、前橋駅(支店)の方の自販でも売っているかオーナーor店員に尋ねた。すると吉報、店内のものを今売っ

 

てくれると言う。親切な客対応で目的の毎日400本売れるペスカドレッシングを手にすることが出来た。

 

 

この店のオーナーは苦労人で太ッ腹、熊本出身で事業に失敗、借金を背負って群馬の地に着いた。奥さんの実家が桃農家、上州

 

で一花咲かそうとイタリアンレストランをオープン。店名がペスカと言うのはイタリア語で桃を指す。故郷の熊本地震〈2016〉の時は居

 

ても立ってもいられず、トラックで18時間かけて救援物資を運んだ。

 

その時店の客も後押ししてくれて、人情の温かみを味わった。店の隆盛・存続が地元の人々に支えられていることを身に沁みて実

 

感した。オーナーの人柄が凝縮された美味ドレッシングは280ml500

 

週末にはドレッシング工場の新設記念に無料配布されると言う。

 

 

もう一つは家のクッキングマニアママが手作りする柚子胡椒のお話。今では群馬でも九州産の柚子胡椒のことを美味と感じる食通

 

は増えて来た。然し10年前はまだこの九州の美味しいスパイスを知る人は少なかった。我々も娘が嫁いだ先が福岡でこの柚子胡椒

 

の旨さを婿殿に教えられた。あちらでは沢山の柚子胡椒製造会社があった。

 

家のクッキングマニアママも世の中ネット社会となり、公開されたレシピで自分もハンドメイドしようとする気になった。柚は買えば高

 

いので知り合いの柚子もどき(カボス)が友人を通して貰える手はずを踏んだ。その家ではカボスは観賞用なので、せいぜい冬至の

 

日、風呂に入れて季節を楽しむ程度の柑橘系だった。それが食品に、しかも美味なる柚子胡椒への変身となればお互い勿怪の幸

 

いだったのである。2020オリンピック延期の年クッキングマニアママは宣言した。「今年は柚子胡椒を作る!」大体23年おきに作

 

っていたが在庫が少なくなって来たし、冷凍室で鮮度も落ちて来たので再製造を思いついたらしい。数日前友人と取って来たカボス

 

を見た。7kg数で凡そ200個以上、いよいよ酷暑クッキングレースは始まった。

柚子(カボス)は青いうちに皮を剥き、それで風味が増す

手間でも全部包丁で一つ一つ丹念に―――

私が仕事中メールがあって柚子胡椒が完成したと言う連絡が入った。

 

晩餐の時2020製柚子胡椒の味見をしたが例年通り唸る極上スパイスに仕上がっていた。柚子胡椒は青唐辛子で作るのに柚子胡

 

椒とはこれ如何にだが柚子皮、唐辛子、塩三位一体の日本が生んだ財宝である。これをもしペスカのオーナーに食わせて味わせ

 

たら、これは使える、是非うちの店のパスタ、ピザに使いたいと言うかもしれない。けど本人は職人気質で商売っ気は更々ない。洋

 

品にしてもカバンバッグ類にしても食品にしても、作れば職人肌丸出しでそれなりのクオリティの高い物を作る素質はあるのだが、あ

 

くまで何でもマニアママに拘る料理人である。贔屓の引き倒しでものを申せば、食品分野は違うがペスカドレッシングよりクッキング

 

マニアママの柚子胡椒の方が圧倒的に何度でも味わいたい衝動に駆られるティストである。一寸市販のチューブ入り柚子胡椒とは

 

一味も二味も違うよ。