韓流ドラマに見るコリアン格差社会
今年どっぷりはまった食品が焼き芋なら、ズッポリ染まったテレビドラマがテレビ東京の「たった一人の私の
味方」である。
前回放送の「病院船」に引き続いて、仕事行く前(今は見られない)見てから出勤するのが習わしだった。韓
国に対して偏見と侮蔑があったわけではないが、日本のオバンが夢中になったヨン様「冬のソナタ」も含めて
すべからく興味がなかった。
見るようになった切っ掛けは前回の「病院船」が御伽話っぽくて、善人ばかりで主人公の女医が超頑固で、ス
トーリーが単純なので見易かった。日本人の韓流ドラマ好きはこういう気軽さが由縁なのかもしれない。今回
の「たった一人の私の味方」はラブコメディもどきの触れ込み、今更コキコキ(古稀)爺が見るドラマでもな
いだろうと思っていたが、惰性で見続けた。そしたら日本のドラマ仕立てと違って、肝心な所はすっ飛ばした
り、出ている女性が殆ど悪人で、財閥系や富裕層の男たちは善人揃い、コミックのようなストーリー展開で面
白い。多分4月には完結するのだろうが、筋立てが無尽蔵に絡まり、人間関係が幾重もの喜怒哀楽でガヤガヤ
騒々しい。次から次へと主人公のドランと実父のカン・スイルを悩ませる。韓国のドラマ・シナリオは一人で
書くのか知らないが、富裕層に悪者は出てこない。インテリ層エディターの忖度かね。色々スポンサー絡みの
ドラマ制作だしね。ボムフードの会長もその母親のグムピョンも倅のワン・デリュク本部長も物分かりのいい
お人好しのお金持ち。
ドラン―デリュク、ミランーイリュク ホンジュー―カンさん
3つの恋愛模様はキリスト教文化圏のようで、古式儒教影響の色濃い韓国でスンナリ受け取られているのだろうか?
格差社会は白人黒人差別時代、欧米や南アフリカで露骨だったが、今や韓国、日本の社会問題になりつつある。
富める者は富め続け、貧しきものは美しく‥‥の図式。
左:ダヤ役の「ユン・ジン」は家族崩壊カン回し役に徹したが、今後の出演が悪女役に決定されるほどにチクリの憎たらしい役回りだったね。
今年アカデミー賞やカンヌ映画祭総取り授賞のポン・ジュノ監督「パラサイト 半地下の家族」に出てくるIT
産業の財閥家族(パク家)も悪い奴はいない。悪玉はその金持ちにたかるパラサイトと呼ばれる周辺の下層
民。
キム家は4人家族だが4人共失業していて、家賃の安い半地下半地上、中間のジメジメしたアパートで暮らして
いる。昨年ルーマニアではマンホール内に長年住んでいる多くの貧民のノン・フィクションを読んだが、韓国
ではこのうだつの上がらない半地下生活の人達が結構蠢いているらしい。極めつけはそのもっと底辺の人が富
豪パク家のお手伝いさんの亭主で、何と亭主はパク家の地下室に無断で4年間も逃亡暮らししていた。住み込
みのお手伝いさんは何の欠点もない人だが大食いが唯一の問題であった。地下室に潜む亭主の為にもう一人分
の食料を確保するためだった。いじらしいストーリー作りだ。「たった一人の私の味方」も「パラサイト」も
韓国に巣食う格差社会を鋭利に描く。「たった一人の私の味方」はホームドラマ風でもあるから、大きな犯罪
のストーリー展開はないが、(ドラマは殺人で始まるが)
財閥系の息子や娘と貧困に喘ぐが真面目に生きる若者たちが、両家の偏見や差別の板挟みにあって悩む。結婚
が二人の為にあるのではなく古い家制度の習慣で削がれる。反対するのはいつも富裕層の母親たちで、古いシ
キタリや差別で嫁や罪人への苛めを繰り返す。
それは日本でもリッチな家系へプアな家系が絡むとスンナリ二人の関係が停止する交際は山ほどあるが、所詮
ドラマは絵空事で観衆を喜ばすことにあるからパッピーエンドに向かって邁進する。「たった一人の私の味
方」は空前の視聴率49.5%を韓国で記録したそうだ。
何度も何度もドランとデリュクは引き離され,(身分の違い、運転手と秘書が親子だった、嫁の父親が犯罪者
だった)しつこさばかりが目立つドラマであったが、終わり良ければすべて良し、二人の寄りが戻れば視聴者
の胸を撫で下ろす。所がハッピーエンドに終わらないのが映画の「パラサイト」で悪者は貧者の寄生者家族で
終わる。
ポン・ジュノ監督と親しい日本の是枝監督が描いた「万引き家族」も社会の底辺で悶える貧者が遂に浮かばれ
ず、ドン引きして映画は終わる。現代はハッピー映画にしてしまうと評価されない時代にあるようだ。巷間暗
いことばかり、せめてドラマや映画は明るく、楽しく、結ばれた感動で涙ぐむ創造一幕物がいい!
パラサイトがDVDレンタルにされたら真っ先に鑑賞したい.暗い世で暗いストーリーではあるが、韓国の格差
社会を見事描写した名作を見ないと言う選択肢はないやろ!
見たような風に書いていますが、武漢ウイルス充満のシネコンへ入館する勇気が持てません。荒筋はネットで読んで書いてます。あしからず。
韓国も日本も富裕層は高台にセキュリテイ付きで住んでいる。貧民層はいつも下から豪邸を仰いで眺めている。
然し南米ブラジルでは逆で貧民層は高台に掘っ立て小屋を建てて暮らしている。お国変われば暮らしも違う。
この前NHKでデジタル版黒澤明監督の「羅生門」をやってたが、文学作品だけに退屈したが「天国と地獄」の誘拐犯も貧富の差を慄然・震撼させた名作でしたね。







