本日(3月14日)の衆議院本会議で共同親権を導入するための民法改訂案の審議が行われました。

 現在は、離婚した夫婦の子どもの親権について、これまでは父親または母親のどちらか一方に親権があり、もう一方には親権がないという制度になっています。今回の民法改訂案では、従来通り親権をどちらか一方にしてもよいし、離婚後も共同親権にしてもよいという選択制にするというものです。

 

 選択制といえば、結婚した時の姓について議論が続いています。現在の民法では、婚姻したときには夫婦で姓を同一にしなければなりませんが、同一にしてもよいし結婚前の姓を継続してもよい(別姓)でもよい、選択できるようにしようという選択的夫婦別姓が1996年の法制審議会で答申されました。が、28年経ても放置されたままです。

 選択できるようにするということは、選択肢が増えるので良いことのように思います。選択的夫婦別姓は速やかに実現すべきと考えます。

 

 親権も単独親権または共同親権のどちらかを選べるのは良いように思えますが、当事者の方々の話を聞いてみるとそうではありません。そもそも円満に言っていないから離婚するわけです。だったら単独親権を選択すればよいように思います。が、例えばDV夫が離婚したくないとゴネたときに共同親権を要求したとすると、DV被害者妻は早く離婚したいがために共同親権を受け入れてしまうということもありえます。そして、共同親権でいちいち伺いを立てる必要がありDVから逃れられないということもありえます。

 DVのときには共同親権は拒否できるというのが法務大臣の答弁でしたが、DVは密室で行われるもので認定が難しいという問題があります。現状でもDVが全て漏れなく認定されているわけではありません。

 ということで、もめごとを増やすだけのように思えてきます。いろいろと課題があるにも拘わらず、選択的夫婦別姓については法制審議会の答申から28年も放置されているにもかかわらず、今回の民法改定案は答申から1ヶ月で国会に提出されるという猛スピードで進んでいます。一体、どういう力が働いているのは不思議でなりません。

 熟議と熟議を通じた国民理解と国民合意が必要であることを改めて申し上げます。