昨日(3月2日)の週末国会での採決で所得税法等改正案に反対しました。

 所得税法等の「等」には、法人税、消費税など国税全般が含まれています。

 

 まず、所得税。

 昨年秋に突如として定額減税が岸田総理から飛び出てきました。岸田総理は「増税メガネ」と言われたことが、よほど気に障ったのでしょうか。思い付きで国民を振り回すのはやめていただきたいと思いました。

 物価高対策としての経済対策ですが、給付と減税、どちらの手法が良いかについては、コロナ対策のときに散々議論しました。例えば、2020年4月15日の経済産業委員会で、財務省の住澤整(すみさわ ひとし)主税局長、今は国税庁長官ですが、減税の問題点を以下の通り答弁しました。

 「源泉徴収義務者において減税を実施していくためには、システムの改修を始めとした多大な事務負担を必要とする。」

 「源泉徴収義務者において、月々の源泉徴収税額から差し引く減税額の管理が必要になるといった手間暇が生じるほか・・・フリーランスですとか個人事業主の方々については、そもそも源泉徴収が行われていないケースが多く、・・・給付による対応よりも非常に遅い対応になるという問題がございます。」

 4年前の国会審議で、減税よりも給付の方が、事務負担が少なく迅速に国民の手元に届くことは明らかになっていました。当時、自民党の政調会長だった岸田総理は給付事業の政策決定のど真ん中にいたので、この議論を知らないはずがありません。が、もうお忘れになったのでしょうか。また、役所から諫める声が総理の元には上がってこないのでしょうか。

 減税だと3万円をひききれない方が出てきます。その分の補填を給付でするとのことですが、どうやって計算するのでしょうか。

 昨年末に非課税世帯には給付金を給付しました。昨年は収入がなくて給付の対象で、今年は収入があり減税の対象となるという二重の恩恵を受ける方が出てくる一方で、逆のパターン、つまり昨年は収入があり給付の対象とはならず、今年は収入がなくて減税の対象とならないう方が出てきます。給付と減税で基準日が異なるためにこのような不公平が生じます。

 

 立憲民主党は、これまでの国会審議を踏まえて、減税よりも給付を提案してきました。立憲民主党の提案と住澤主税局長の答弁を無視しての定額減税の強行は、政策手法、政策効果とガバナンスの全ての面で大問題です。

 したがって、反対しました。

 

 法人税法改正と消費税法改正にも反対理由がありますが、後日、報告します。