本日、科学技術イノベーション推進特別委員会の視察で京都大学へ行きました。

京都大学では、まず高等研究院を訪問して、昨年、ノーベル医学生理学賞を受賞した本庶佑先生から科学技術イノベーション推進についてご意見を伺いました。




本庶先生といえば、がん治療薬のオプジーボですが、現在、小野薬品と係争中とのこと。当時は、京都大学は法人化の途上で知的財産権の管理が不十分であったこと(今は体制整備された)、日本の製薬会社に技術の目利き力が不足していることなどの課題をご指摘いただきました。

そもそも、世界では製薬会社が20社程度に集約されているのに、日本では30社もあるなど集約が遅れている、それが研究開発で遅れにつながっている、との指摘がありました。

科学研究費の選定について、目利きが課題となるが、合議制でやれば十分に可能とのこと。

大学を強化するためには、大学の文部科学省からの独立性を確保すべき。そのためには、1兆円規模の基金を持つべき、とのこと。

政府は、大企業を助けるが、大企業は本来、自己責任であるべき、政府が支援すべきはベンチャー企業とのこと。

示唆に富む意見で大変勉強になりました。
また、お土産にノーベル賞のメダルを模したチョコレートをいただきました。本庶先生のサイン入りなので、恐れ多くて食べられませんが。




続いて、医学研究科の医療領域産学連携推進機構をお訪ねして、製薬会社と大学の共同研究を視察しました。
施設見学しながら、センター長の成宮先生と意見交換させていただきました。たまたまお名前が一緒(周=しゅう)ということもあり、親しくお話させていただきました。
医師不足と医師の偏在など、医療分野での人材不足があり、医師が臨床研究にあまり向かわないなどの課題を伺いました。また、欧米に比べて日本の社会全体として人材の流動性が低く、産学連携が遅れる原因になっているとの問題意識を共有しました。