本日の伊丹市議会では、新聞にも取り上げられるなど注目されています。インターネット中継を視聴しようとしましたが、アクセスできませんでした。もしかすると、アクセスが殺到してアクセス制限がかかったのかもしれません。

 また、傍聴席にも大勢の市民がいらっしゃいました。本日は、本会議と委員会が交互に開催されていましたので、その都度、本会議傍聴の傍聴券を発券し、委員会傍聴の発券するので、市議会事務局の職員は大忙しのようでした。

 

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 伊丹市議会の1月臨時会の本会議において幼児教育関連議案が採決されました。公立認定こども園の新設と公立幼稚園・保育所の再編に関する議案(5号議案)については、修正案が可決されました。しかし、市長は、再議(地方自治法176条)に付されました。結局、再度採決した結果、賛成は2/3に達せず、修正案は成立しませんでした。

 

 さて、市長は再議に付した理由として、

(1)5号議案の修正案では、第2号議案:伊丹市幼児教育の推進に関する条例10条に規定されている公立幼稚園の規模適正化による教育環境の整備を行うことができない、

(2)公立幼稚園・保育所の再編が行われないことにより、認定こども園等の整備にかかる経費約30億円などの幼児教育の充実施策を展開するために必要となる財源が確保できない、

の2点をあげました。

 

 そもそも、今回の幼児教育・保育に関する政策は、平成26年6月の学校教育審議会の答申に基づくものとされています。しかし、2017年4月の市長選挙が終了するまでの約3年間は具体的な案は示されませんでした。市長選挙においても「幼児教育のあり方」と一言記載があるだけでした。


 スケジュールについては、市長選挙が終わった直後、いきなり大規模な再編案が示されました。保育所と幼稚園を認定こども園に再編するなど、大規模な再編案であるにも拘わらず、年内に議決するとの方針まで示されました。これでは、幼児教育・保育に関係する市民のみなさまの意見を受け止めて、計画案を作成するには十分な時間とはいえません。また、子育て世代の市民が最も関係するのですが、そうした世代に対して説明するような説明会の開催日程とはなっていませんでした。

 

 再編内容について、幼稚園については、学校教育審議会の答申では16幼稚園を10幼稚園程度に統廃合と示されました。また、保育所の統廃合についてはこの間は何も議論はありませんでした。ところが、今回の大規模再編案では、認定こども園を含めても8幼稚園に集約され、保育所も統廃合されることとなりました。

 

 私は、認定こども園に再編することには賛成ですが、廃止になる幼稚園と保育園に通う保護者をはじめとする関係の市民のみなさんには十分に説明するべきだと考えます。

 市長選挙のときには計画案を示さずにおいて、市長選挙が終わった後になって計画案をドーンと出す、というのでは、選挙を通じて民意を政治に反映させるというプロセスが十分に機能させることができません。正々堂々と計画案を示すべきでした。また、8月に計画案を示して、市民説明会とパブリック・コメントなどを経て12月に議会上程・可決というのでは、市民の意見を反映させることは難しくなります。もっと余裕をもったスケジュールとするべきでした。

 スケジュールがタイトすぎるということは、昨年6月の定例会での代表質問などで繰り返し指摘してきたところです。が、市当局は聞く耳を持ちませんでした。

   このことが後々に大きな問題となりました。つまり、こうした進め方に対して、市民から疑問の声があがり、二万筆以上の署名が集まり、その内容は12月定例会に請願として採択されました。

 

 また、8月に計画案が示された後、10月の衆議院議員総選挙では幼児教育・保育の無償化がテーマとなり、2020年度から3歳~5歳にかかる部分の無償化が実施される見通しとなりました。つまり、伊丹市の幼児教育・保育をめぐる前提条件が大きく変わりました。全国的に幼児教育・保育が無償化されると、3歳児からの幼稚園入園(3年保育)が一般的になります。また保育ニーズがますます高まります。そうなると、待機児童解消と3歳児幼稚園希望者全入が大きな課題となります。

 伊丹市として、無償化の財源確保が課題であったのが、その課題は国が負担することとなり、課題が概ね解決しました。一方で、保育ニーズと幼児教育ニーズがさらに高まることとなり、これへの対応が大きな課題となりました。

 

 こうしたことを踏まえて、私が市議会議員時代に所属していた会派「フォーラム伊丹」は、市長原案のままでは不十分であるとして、1月臨時会では修正案を提出しました。課題としては、次の4点があげられます。

(1)待機児童解消

(2)3歳児の幼稚園入園希望者の全員入園

(3)特別支援教育の充実

(4)遠くなる通園距離への対策

 

 既に市長部局および教育委員会が計画案を既成事実として市議会の議決の前に進めてしまっており、現行スケジュールを大きく変更すれば、市民に新たな混乱を招きかねません。そこで、修正案では、現行スケジュールを変更しないで済むように配慮しました。

 つまり、認定こども園の建設のための設計などは認める一方で、再編する幼稚園・保育所については再考するように求めました。具体的に、どの幼稚園・保育所を廃止するのかについては記載しておりません。それは、どの幼稚園・保育所を廃止するかについて、当該市民の理解を十分にえられていないからです。

 そもそも、こども園は了解しつつも、幼稚園・保育所の再編については継続審議のようなカタチになったのは、当初のスケジュールがタイトであったからです。筋論からすれば、全体を継続審議とするべきところでしたが、計画案がある種の既成事実化されていたので、こども園のみ先行して可決することとしました。

 

 ですが、結局、当初の修正案は、市長の再議で2/3を得られませんでした。

 

 その後、再度の修正案が提案され、フォーラム伊丹が当初から主張してきた、こばと保育所の稲野公園への移転、有岡幼稚園の維持、稲野幼稚園などの閉園時期の変更を含むものに修正されました。つまり、2020年度と記載されていた閉園時期は、別途規則で定めることになりました。

 なお、この修正案では、本当に上記の4つの課題が解決できるか不明なところがありました。附帯決議をつけて、念押しすることとしました。

 

 

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