政策作成において、目的・目標を定め、それを達成するための最適手段を選定し、成果をイメージすることはとても重要です。当たり前ですが。この中で、目標と成果の因果関係はとても重要です。ですが、政策担当者は必ずしも因果関係を的確に把握できる訳ではないように感じることがあります。そこで、本書を読んでみました。

 本書では、冒頭、因果関係について、独立変数や従属変数を、肥満と出世、身長と所得の因果関係という身近なトピックで説明しており、分かり易く読めました。特に、イギリスではかつて身長が高いと所得も高いという相関関係がみられたそうです。
 この例は、偽の相関関係を説明する上でとても分かり易い例ですので、早速、使わせてもらっています。

 他に、伊丹市教育委員会には、「早寝、早起き、朝ごはん」の推進という政策があります。筑波大学の調査報告書では「朝食を摂らないと、脳の糖代謝が前頭葉の部分で低下し、偏食による低血糖やビタミン、ミネラルの欠乏と相まって抑制が効かなくなり、その結果非行に暴走するということを示しています。」と結論づけているとのことです。
 しかし、本書によれば、この相関関係は、偽の相関関係かもしれないことを指摘しています。すなわち、家庭環境から非行に走る一方で、家庭環境で朝食を用意してもらえない、という可能性があることを指摘しています。

 その他にも分かり易い事例をたくさんあげて説明されているので、因果関係の分析についてよく分かりました。


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