facebookに、政治家の質を向上させるため、定年制を設けてはどうか、というご意見をいただきました。
 民主党も自民党も比例代表について定年制を設けていますが、衆議院の場合は小選挙区で勝ち続けかつ命ある限り議員であり続けることができます。また、参議院の場合も選挙区(地方区)で勝ち続ければ議員であり続けられます。したがって、世代交代を強制的に実行するメカニズムとはなっていません。
 頂いたご意見では、中国共産党が1990年代に政治局員の定年制を導入したことを引用し、これにより人事の滞留を防止したことをあげていました。現在のところ中国共産党の定年は68歳とも言われ、50歳代から60歳代で政治局入りを果たしても10年程度で引退することになります。定年制導入前の中国共産党や崩壊前のソビエト共産党の上層部が恐ろしく高齢であったことと比較すれば、人事の刷新が定期的に行われていると言えるでしょう。

 一方、日本の政治の場合には、10年トップを務められるような人材がなかなか出てこず、毎年交代することの問題です。この20年間で就任した総理大臣は、細川、羽田、村山、橋本、小渕、森、小泉、安倍、福田、麻生、鳩山、菅、野田(敬称略)の13人ですが、2年以上続いたのはなんと橋本龍太郎総理(2年6カ月)と小泉純一郎総理(5年5カ月)の二人だけです。このことから、問題は、人事の停滞ではなく、人材の払底又は能力本位の人事の欠如かと思います。

 なぜ、しかるべき人物が政治の世界に集まらないのか、日本に人材が払底しているとは思いませんので、政治の世界に人物が集まらない、いてもトップになれない何かがあるのかと思います。
 その一つとして、思い当たるのが当選回数主義です。当選5回(約15年)でようやく大臣というのは、いかにも遅い感じです。細川総理が国会議員歴9年(参議院議員9年)という特殊例はありますが、安倍総理と福田総理は総理の子又は孫という特殊事情を勘案すると、羽田、村山、橋本、小渕、森、小泉、鳩山、菅と20年以上国会議員をやってようやく総理大臣になっています。本当に国政で大きな役割を果たすのに、これほど時間がかかるのであれば有能な人材ほど政治の世界に集まらないでしょう。

 イギリスではデーヴィッド・キャメロン首相は国会議員歴9年(保守党党首には4年)で首相に、アメリカのバラク・オバマ大統領は上院議員4年(1期目の途中)で大統領に就任しています。
 このような能力主義こそ、今の日本の政界に必要なことと思います。そのためには、政党のガバナンスが必要です。具体的には、党本部主導の候補者選定(イギリス型)や地元党員主導の候補者選定(予備選挙:アメリカ型)などが必要になってくると思います。これらのメカニズムによれば、現職でもパフォーマンスが悪ければ、公認候補になれないということです。


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