昨日のブログ の続きです。

 民主党は、都道府県議会議員選挙の選挙区の区割りを各議会が自主的に決められるようにするよう公職選挙法を改正する検討に入ったとのことでした。これについて、選挙区を決める際の恣意性が増し、各議会で多数を占める政党に有利に働きすぎるとの見方もある、と批判的なコメントを付した報道がなされておりました。

 昨日のブログで桜井が問題提起したような根本的な問題には触れずに、安易なコメントのみを付して報道する日本のマスコミに改めてガッカリします。もっとも、そうした懸念はないわけではありません。
 そうした懸念についても、本来的には最終的に有権者の判断です。すなわち、政治哲学も何もない選挙制度を導入したときには、そのような政治でよいのか、ということも含めて選挙で有権者が意見を表明すべきだと思います。現実的には、1)現状維持、2)比例代表制、3)小選挙区制、の3つの方向しかないと思います。恣意的な区割りというのがあり得るのは、小選挙区制のときです。ただし、恣意的に区割りをしてみても、現実問題として自分にとっても有利にすることは難しいと思います。

 一方で、現行制度の弊害の方が大きいように思います。
 例えば、鹿児島県議会では、11の1人区(小選挙区)と6つの2人区がある一方で、鹿児島市は17人区です。これほどのバラツキがあると意味不明です。

 また、例えば、兵庫県議会では、21の1人区がある一方で、姫路市が8人区、尼崎市と西宮市が7人区です。こうなると、田舎の方で強い政党は1人区で大きく勝ち越しつつ、都市部でも1/3程度取れば(例えば、3人区で1議席)それで県議会で過半数を握ることができます。その政党の中では田舎出身の議員が多い訳ですから、田舎の意見が通り易くなり、過半数を握る政党での多数意見が議会の多数意見ですから、そのまま通ることになります。つまり、多数党の過半数、つまり1/2の1/2で1/4を抑えれば議会は牛耳られるということです。そういう意味で、兵庫県議会は田舎の声が主に反映されるような仕組みになっています。
 これは、実は、兵庫県の予算などでも具体的に表れています。この問題は、奥が深いので別途したいと思いますが、兎も角、都道府県議会の選挙制度というのは、現状ではまるでダメだということです。

 民主党がこうした問題に目を付けたのはとても素晴らしいことです・・・まさか、桜井のブログを読んでこの問題に気付いたという訳ではないでしょうが。。。
 地方分権・地域主権を実現していくためには、地方自治体のガバナンスを改善する必要があります。その第一歩は地方議会改革であり、選挙制度改革です。正統なる理念の下、選挙を行ってこそ、適切なる県議会議員が選出できるものと思います。



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