彼が部屋に来たときには

疲れて寝てしまっていたらしい








「美紗、ご飯食べるよ」



「玲さん…………。私…………」



「美紗!どうしたの?大丈夫?

Kくん、ちょっと来て!美紗の様子がおかしい!」



「美紗!大丈夫か?」



「K………、うん、大丈夫…………」



「ん?美紗、ご飯食べれそう?もう少し休む?」



「うん、大丈夫……」



「玲さん、ちょっと様子見ててもらっていいですか?俺、ちょっと颯真さんに確認してみます」








彼が颯真に連絡をしてる








「もしもし、颯真さん、美紗の様子がおかしいんです。問いかけても大丈夫しか言わなくて……ハイ………ハイ……わかりました。ちょっとやってみます。ハイ……ありがとうございました」








電話を切って

私の上体を起こし抱きしめた








「美紗……起きるよ………………」



「K…………私、いつの間にか寝てた。遊園地の人混みに疲れたのかな?」



「よかった〜」








いきなり玲さんにも

抱きしめられて驚いた








「玲さん?」



「ほら、ご飯食べるよ」








2人とも何事もなかったように

接してくれた



後で聞いたのは

一種の催眠状態だったらしい

遊園地っていう不特定多数の人がいて

自分を保つために

自己催眠をかけてた可能性が高いらしい


精神的に

落ち着いてるように見えても

心の傷の深みにはまって

一時的に出る症状とか

記憶喪失とか

いろんな症例があるらしい