彼の家へ行くと
いつもと違うテイストの彼
仕事の時は
きっちりした服で
なんとなく近寄りがたい感じがした

そんな彼を見てたら
両手が頬に伸びてきて
そのまま
顔を少しだけ上を向かせた







「顔色はそんなにひどくないけど、表情が暗い気がする。何かあった?」


「Kの服のテイストがいつもと違って、それ見たら、なんとなく近寄りがたい感じがして…………。知らないKを見てるみたいで寂しくなっちゃった……」


「今日は行ったら、すぐカウンセリングだからね。仕事終わったから着替えるから、今は我慢して。えっ?もしかして、昨日の俺にも壁を感じてたの?」


「昨日は………怖すぎて、あんまり覚えてないの。でも、Kが来てくれて、すごくホッとしたよ」


「覚えてないほど、怖かったのか……。まぁ、怖かった事を思い出すことないから。そろそろ行こう。終わったら、どこ行きたいか考えておいて」







彼の車でクリニックに向かう
クリニックに着いたら
彼は自分の仕事の前に
颯真に状況説明してくれて
診察とカウンセリングが
スムーズにできるようにしてくれた







「俺、カウンセリング行ってくるから、終わったら、中の待合室で待ってて」


「分かった。ありがとう。いってらっしゃい」







彼は少し照れた感じで
診察室を出ていった







「しばらく見ない間に、キレイになったんじゃない?Kくんが心配するのも分かるな〜。外で、声かけたられたりナンパされたりしない?」


「声はかけられることが増えたかも。でも、それもちょっと怖くて、あんまり1人で出かけたりしなくなったかな」


「怖いって、どんな感じがイヤ?」


「断っても、しつこく付いてきたり………声かけられる時に肩とか触られたり…………」


「肩触られるって、美紗、そういうのダメだろ?」


「だから怖くて、人が多いところで1人で歩けなくなっちゃった」


「声かけられ始めたのって、いつくらいから?」


「離婚してすぐくらいかな?」


「Kくんには相談した?」


「仕事変わって、忙しいと悪いし、相談どころか、あんまり連絡もしてなかったの。それに……………相談したら、きっとKはすっごく気にしちゃうから、言いにくい…………」


「色々、我慢してただろ?Kくんは、忙しくても、美紗のことなら、ちゃんと時間も作るよ。それに、話してほしいと思う。
Kくんが働き始めてから、俺も色々、配慮が足りなかった……ゴメンな」


「我慢してたわけじゃないよ。時間作ってくれるの知ってるから、その分、負担になっちゃう。Kには、今、仕事に集中して欲しい。でも、ホントはすっごく寂しかったんだよね」







診察も進み
終わりくらいになって
彼が診察室に来てくれた