小さい頃から
右腕は掴まれると怖くて
パニックになることもあった
「えっ!右って……掴まれるのめちゃくちゃ苦手な方じゃん」
「うん……………だから…色々パニックで……お礼も言えなかった」
「お礼は、気にしなくていいと思うよ。それより、ゴメンな………怖いこと思い出させて……。体強張っちゃったね。でも、話してくれてありがとう」
彼は抱きしめながら
優しく背中を撫でてくれた
呼吸も乱れたりしたけど
それだけで安心できた
「黙ってて…………ゴメンね……」
「黙ってたわけじゃないでしょ。美紗は俺のこと心配してくれて、話せなかっただけじゃん。今日まで、話せなくて怖い気持ちを抱えてたと思うけど、むしろ電話越しじゃなくて、一緒にいる時に聞けたのは良かった。顔見て話せたし、抱きしめてあげられるし。でも美紗はずっと1人で怖かったんじゃない?」
「ちょっとだけ……なるべく思い出さないようにしてたから……心配かけたくなかったし」
彼に話して
ちょっと怖さも和らいだ
「ねぇ美紗………今回みたいなことがあったときは、とりあえず、クリニックに電話するって約束して!時間作って、すぐに駆けつけるよ。
最近、俺が颯真さんのクリニックで働きだしてから、心配とか迷惑かけたくないからって遠慮してない?」
「だって…………」
「美紗が俺を気にかけてくれてるのは、すごく嬉しいけど、でも、それで、美紗が怖い思いとか淋しい思いをしてたり、それを1人で耐えてたり、いろんなことを我慢はさせたくない。それじゃ、なんの為にカウンセラーになったか、わからないじゃん。俺、美紗の専属カウンセラーだよ?もっと、頼って………。我慢なんてしなくていいよ」
「ホントに………?負担になったりしない?」
「カウンセリング中だと、すぐに電話に出れない時もあると思うし、メールの返信も遅なくなる時もあるけど、必ず連絡する。でも緊急でクリニックに連絡くれたら、すぐ連絡するよ」
「今日、会いたいとかでもいいの?」
「それ、メールで見たら、何があっても時間つくるよ。そんな甘え方されたら、めちゃくちゃ嬉しい」
これからは素直に
甘えてみようかなって思えた
「美紗、時間…まだ平気?」
「そろそろ帰ろうかな…K、颯真たちに予定聞いておいてくれる?私、玲さんに聞いてみる」
「分かった。颯真さんたちに確認とってから連絡するね。
美紗、我慢は無理はするなよ。いつでも連絡していいから。俺も連絡するし。
今日は発作起こした後だから、気をつけてね」
「ありがとう」
彼に色々話せて
すごく気持ちが楽になった