目を覚ますと

隣で何かを読んでる彼がいた







「K………何…読んでるの……?」



「これ?颯真さんから宿題。経営方針のマニュアルとか?!」



「そっか………来週から…仕事だもんね。いよいよ、カウンセラーデビュー……………」



「美紗?」







なぜか泣いてしまった







「ゴメン…何でもない……………」



「泣いてるのに、何でもないわけない」







彼がそ~っと抱きしめてくれて

なおさら涙が溢れてきた







「ゴメン…………」

「ゴメン…………」







ずっとゴメンしか言えなかった



「抱え込まなくていいよ。みんな出しちゃった方がいい。もう謝るなよ…」



「ゴメンね。困らせちゃって……」



「何か不安なこととかある?」



「Kのカウンセラーデビュー………ホントは、喜ぶべきことなのに………何かね…………寂しくなっちゃったの………。他の患者さんに……取られちゃうような気がして……。そんなことあるわけないって思ってるのに…………思ってたのに…涙が出てきて……Kのこと、困らせちゃった



「そっかぁ、俺の方こそ、不安な思いさせて……ゴメン……。

カウンセラーとして仕事するけど、あくまでも、俺は、美紗のカウンセラーがメイン業務だし、他の患者さんより、美紗のことを優先するように颯真さんにも言われてるから、もし、寂しくなったりしたら、すぐに連絡して!仕事中だからとか気にしなくていいから、我慢しないで、言ってほしい



「K…………………ありがとう………」







彼の言葉を聞いて

思いっきり泣いてしまった


泣いてる間

抱きしめててくれた彼

言葉をかけるわけじゃなく

黙って抱きしめてくれていた







「もう、平気?」


「ありがとう。思いっきり泣いたら、落ち着いた………。ゴメンね…心配かけて」



「今の正直な気持ちを伝えてくれてよかった。

美紗、だいぶ強くなったって思ってたけど、昔と変わってないなぁって、ちょっと安心した。

強くなるってことは、それだけ抱え込むものが多くなるし、昔みたいに、抱え込みすぎるのも困るからね。最近は、ちゃんと気持ちを伝えてくれるようになって、ホントに良かったと思ってるよ」







お互いに思ってること話せて

だいぶ気持ちが楽になった