どれくらいの時間が経ったんだろう
廊下が騒がしい
どうやら
私を探してるみたい
でも自力じゃ立てなくて
呼出コールも押せなくて
意識も朦朧とし始めた
「美紗さん!中にいますか?」
「ひな………………さん……」
「先生、美紗さんいました」
「美紗ちゃん、ゴメンね。開けるよ!」
「美紗!!」
「ストレッチャー!!急いで!」
「K…………」
「陽菜、颯真急いで呼んできて!」
「美紗、今はしゃべらくていいよ。そばにいるから」
「美紗が倒れてたって?状況は?」
「どれくらい発作が起きてるのか分からないけど、意識もはっきりしてない!」
「陽菜さん、点滴、これお願いします。美紗、分かるか?俺の言ってることが分かったら頷いて」
「………ハァハァ……………」
「反応ないな。ここじゃ処置するの無理かもしれない。大きい病院じゃないと赤ちゃんも危ないぞ」
「分かってる!緊急時は母体が優先だ!」
「そんなに危ない状況なんですか?」
「今の処置で意思疎通が出来ないなら、大きい病院に救急搬送になる。その場合、母子共に助けるのは難しいかもしれなくて、その時は赤ちゃんは諦めなきゃないよ」
「美紗が助かるなら…………」
「颯真、どうする?搬送するなら早い方がいいぞ」
「分かってる!分かってるけど…、もし、救急搬送して赤ちゃんを諦めなきゃない場合、意識が戻った美紗は耐えられないかもしれない」
救急搬送の話まで出ていた
このとき
大きい病院に搬送されてたら
今とは違う人生だったかも…