昨年末から月~木曜の19:03~19:55でBS11でスタートした中国ドラマ「女医明妃伝 ~雪の日の誓い~(原題女医 明妃传/女医 明妃傳)」(全49話)
このドラマは実在の女医をモデルにしていて、女性が今のように働くことが難しい時代に女医として活躍した人物の紆余曲折を描いたドラマです。
昔ながらのドジで天然で健気な女性主人公というのが苦手な私だけど、中国史劇で描かれる女性は歴史の局面に立つ女性だからか、身分的なものはさておき、比較的精神的には自立した女性に描かれているような気がします。
このドラマも周囲の偏見などと戦いながら、女医として成長していくストーリーではあるのだけど、どうもこの主人公の描かれ方がちょっと難アリな感じで、共感どころか、ちょいちょいイラッとするんですよねーアセアセ
 
画像:微博「女医明妃传」公式ページよりお借りしました
後に女医として活躍することになる主人公の杭允賢(劉詩詩/リウ・シーシー)は、代々医者の家に生まれ、幼い頃に自身が騙されたことで、王宮に仕える太医の祖父と兄を失くします。
以来家族は姓を変えて医者の家系であったことを隠して、ひっそりと暮らしてきました。
祖母になついていた允賢は、祖母から医術の話を聞いて育ち、父親の目を盗んではこっそり医術書を読んでいます。
 
画像:微博「女医明妃传」公式ページよりお借りしました
とある宴があり、允賢はその屋敷の庭で怪我をしている男性を見つけ、侍女に止められながらもその男性に応急処置を施し、助けます。
実はその男性は皇帝の腹違いの弟祁鈺で、祁鈺は命を狙われていました。
またある日、允賢は寺を訪れた際に、苦しんでいる女性を助けに向かうこととなり、そこに助け船を出した鄭斉という男性とも知り合いますが、その鄭斉の人を食ったような言動にムッとする允賢
実はその鄭斉は身分を隠した皇帝でした。
こうして身分を隠した2人の男性と出会い、允賢は徐々に祁鈺に惹かれていきます。
そして祁鈺鄭斉も自分達を特別扱いしない允賢に興味を持ち、心惹かれていきます。
 
画像:微博「女医明妃传」公式ページよりお借りしました
皇帝の腹違いの弟祁鈺を演じているのは、「海上牧雲記~3つの予言と王朝の謎~」で主人公の牧雲笙を演じていた黄軒(ホアン・シュエン)さん。
祁鈺は基本的にはいい人なんだけど、権力に目がない母に逆らえない気弱な面もあって、結婚話ではそれで允賢ともめてしまったりと、なかなか難しい立場にいます。
それは祁鈺の母が自身の身分が低かったこともあって、息子の祁鈺には権力者の娘との縁談を希望しているんですね。
祁鈺の母は皇太后の姪であり、重臣である汪瑛の娘である汪美麟との婚姻を希望しているから、允賢のような後ろ盾のない、さらに異性にも医術を行うふしだらな女性(※1)を嫁としては認められないんですよね。
祁鈺は、母親の推し進めてくるこれまでの縁談話をのらりくらりと逃れてきたけど、母と縁を切って允賢と一緒になるまでの決意が見えてこない。
なんとか円満に事を収めようとしているけど、その消極的に見える態度に允賢も少しがっかりした模様。
※1...良家の未婚女性は家族以外の男性と口を聞くだけでもはしたないと言われていたようで、允賢のように診察や治療で異性の身体に触れるというのはもってのほかだ、“ふしだらな娘”だと烙印を押されてしまっています。
 
画像:微博「女医明妃传」公式ページよりお借りしました
允賢には鄭斉と名乗っている皇帝を演じるのは霍建華(ウォレス・フォ)さん。
決して仲が悪いわけではない皇后はいるけど、允賢に興味を持ち、何かと允賢との時間を持とうとします。
最初は恋心を否定していたけど、祁鈺と2人でいる允賢を見て機嫌が悪くなったりと、はたから見ていたら嫉妬しているのは明白なんですよね。
それでも自分にはそんな気はない、友達として助けたいだけだと允賢に言って、何かと允賢の希望を叶えられるよう尽力する鄭斉
自分への気持ちを利用し、鄭斉に助けてもらうのは...と尻込みする允賢だけど、結局は頼りにしている感じです。
允賢が恋心を抱くのは祁鈺だけど、私は断然鄭斉チョキ
なにせ行動力に迷いがないし、民のためになることを考えているし、允賢に気持ちが向いているとはいえ、皇太后をけん制する意味でも皇太后に繋がる妃嬪たちとは夜を共にせず、皇后だけを大事にしているところなんかは好印象です。
 
画像:微博「女医明妃传」公式ページよりお借りしました
目元がきりっとして、鼻筋もスッとしている霍建華(ウォレス・フォ)さんは、台湾出身の俳優さんで現在は中国で主に活動をしている41歳!
おちゃらけも似合う、福山雅治さんみたいなイケオジじゃないでしょうか!?
 
画像:微博「女医明妃传」公式ページよりお借りしました
表情が豊かで、どんな表情でもさまになっているキラキラ
霍建華(ウォレス・フォ)さん、台湾ドラマ「年下のオトコ~My Dear Boy~」で主人公の羅小菲を演じていた林心如(ルビー・リン)さんと4年前に結婚してるんですよね。
年下のオトコ~My Dear Boy~」は一回り近く年下のオトコとの恋愛が描かれていたけど、霍建華(ウォレス・フォ)さんは林心如(ルビー・リン)さんの4歳下だそうです。
個人的にタイプなイケオジ霍建華(ウォレス・フォ)さん、2月19日(金)からBS11で放送スタートする「如懿伝 ~紫禁城に散る宿命の王妃~(原題如懿伝)」(全87話)にも乾隆帝で出演なので、1日に2回、霍建華(ウォレス・フォ)さんの姿を楽しめるようになりますルンルン
 
画像:微博「女医明妃传」公式ページよりお借りしました
さて、ドラマのほうに話を戻します。
この時代の王宮には太医院という医局と御薬坊という薬剤部があり、皇帝鄭斉の力で御薬坊に身を置き、太医院の長官に弟子入りしながら医術を学ぶことになった允賢ですが、宦官や女官は具合が悪くても太医院で診てもらうことは出来ず、御薬坊で薬をもらうことしか出来なかったことで、允賢はそれに異論を唱えて独断で自ら宦官や女官の診察をはじめてしまいますアセアセ
御薬坊の女官たちは宦官といえど、男性だから女性の允賢や自分達が診察や治療を行うことに反対するけど、“同じ人間だから”と押し切って診察・治療をする允賢
結局、女性の手に触れることが出来る、やっぱり允賢は菩薩観音だと仮病でやってくる宦官たちが出る始末になり、それが祁鈺の耳にも入ってしまいましたハッ
結婚問題で祁鈺の母に反対されて祁鈺と喧嘩になった時に、“医療は行っても男性の診察はしない(男性に触れない)”と約束したのに、結局いつもの“同じ人間だから”で破ってしまうんですよね。
当然、それを知った祁鈺は面白くないわけですよ。
これまでも父親や祖母と医術は行わないと約束しても“人助け”を理由にその約束を破ってきた允賢
自分が医術を披露したことで人が亡くなったことから、もう医術は行わないと約束しても、やっぱり“人助け”を理由に医術に手を出してしまいます。
そして今回も愛する祁鈺との約束だったにも関わらず、何のためらいもなく宦官への診察・治療行為を行ってしまいました。
本人は“人助け”のつもりだったけど、仮病の宦官たちが口にした観音菩薩というのは、以前寺で男性に対しても直接医療行為を行っていたことから、観音菩薩のように慈悲深いという意味の反面、異性の身体に触れるふしだらな女性という蔑視の意味合いも含まれていたんですよね。
そのことは允賢本人も知っていて傷ついていたはずなのに、止められないアセアセ
私がイラっとするのはその部分ですプンプン
約束をしていようが、自分の行動が原因で人が亡くなっていようが、自戒はするけど“人助け”を理由に結局約束を破ってしまうんですよね。
自分が困難な立場になるだけでなく、父親や祖母も危険な目に遭わせてしまい、家族と離れ離れになる始末......ショボーン
“人助け”は本来素晴らしいことなんだけど、跡取りの兄が亡くなり、子供は自分だけなのに家族のことを顧みなずに医療を優先するあたり、彼女の意志があまりにも弱いアセアセ
それでいて医療に関しては頑として譲らないし、目上だろうが偉い人だろうが、口答えはするし、祁鈺と喧嘩になっても自分からは歩み寄ろうという姿勢もないんですよ。
なんで祁鈺允賢に惹かれちゃったのかなぁ!?
何か問題が起こると、さも“そんなつもりなかったの......”という感じで困ってしまい、結果的に鄭斉に助けてもらうのも、上記の行動が災いして、したたかに見えてしまうんですよねー。
 
画像:微博「女医明妃传」公式ページよりお借りしました
......という感じで、允賢のキャラ設定にはちょっとイラっとさせられていて、今のところ主人公の允賢にはあまり好感が持てていないのだけど、皇帝鄭斉とその弟祁鈺の複雑な関係、それと王位を巡って皇太后と汪美麟の思惑、心優しい皇后の存在など、それ以外の部分はかなり面白いですグッ
皇太后は自分に反抗的な鄭斉から実権を奪い、祁鈺を皇帝に据えようとしているけど、元々は幼い鄭斉を自ら育ててきた情もあるようなので、この皇太后の立ち位置が単に悪と言い切れない感じがするんですよねーニヤリ
あっ、子供がいないことで皇太后に蔑まされている皇后を演じているのは中国ドラマ「お昼12時のシンデレラ」でファントンの幼なじみで本屋のオーナーであるリーシューを演じていた李呈媛(リー・チョンユアン)さんです拍手
お昼12時のシンデレラ」では幼なじみであり初恋の相手でもあるファントンに辛い片思いをしていましたが、一方通行の思いという点では、この「女医明妃伝 ~雪の日の誓い~」での役どころも似ていますね。
 
画像:微博「女医明妃传」公式ページよりお借りしました
全49話のうちの21話、約半分近くを観てきたけど、ここから允賢の女医としての成長と活躍や、外野が仕組んだ王位争いで謀反が起こるのかどうか、最終的に允賢は誰を選ぶのか、などが描かれていくんじゃないかと思います。
ここへきて、ようやく面白くなってきましたウインク
最後まで観終わったら允賢への印象も変わるのかなぁ!?