LTPと長期記憶 | 最適性理論(音のストリーム)で英語を覚える

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英語の学習にはLTPと長期記憶が非常に密接に関連しております。英語学習するときにはこのメカニズムを知っておくと参考になると思います。


海馬は脳の奥、両方の耳をつないだ線のあたりに、左右に1つずつあります。その形は名前のとおり「タツノオトシゴ:海馬」にそっくりな脳の器官です。海馬にも数億個の神経細胞があり、その神経細胞からはシナプスと呼ばれる回路状の組織が無数に存在していて、それぞれがネットワークを作っています。


海馬で記憶が作られるメカニズムは割と簡単です。まず、1つの記憶に対応する神経細胞の回路ができます。そして、その神経細胞の回路にリアルタイムに細胞の電気信号が流れて記憶するのが短期記憶で、ちょうどコンピュータのランダムアクセスメモリ(RAM)に相当します。


リアルタイムで電気が流れている間は情報を忘れないのですが、流れる電気が消えると二度と思い出せなくなります。また、時間が経ったり用が済んで他の情報が上書きされたりすると、すぐに忘れてしまうのが短期記憶です。


たとえば、相手に聞かれた質問を覚えておくことで質問に答えられることや、読書でも登場人物や前のページの場面を覚えていることで文脈を理解したりするときに使います。


そして、特定の記憶の回路へ電気信号を流すたびに、神経細胞は電気が流れやすい形態へと変化していき、そのうち、電気が長期にわたって強く継続するようになるのが長期増強(LTP:Long-term potentiation)です。英単語を覚えるときも、繰り返すことで記憶が強くなるというのは、この長期増強の効果です。


 長期増強により電気の強さが一定以上になると、たんぱく質が合成され新しいシナプスのつながりによって新しい神経回路を形成します。


これが長期記憶で、いったん長期記憶ができるとほとんど忘れることはありません。この長期記憶はコンピュータのハードディスクに相当します。