自転車が流行りはじめてはや幾年。


 かっこい自転車、リーズナブルな自転車、電動自転車、ぱたりと折り畳めてすんごいコンパクトになっちゃう自転車もあったりなんかして、選ぶ方は楽しいかぎり。街の自転車屋さんも、だいぶ活気づいている気がします。


 交通渋滞緩和、大気汚染軽減、燃料節約、運動不足解消などなど良い効果満載。大変結構なことかと。


 ただ現状、既成の道路状況が自転車台頭時代に追いついていない感もあり、ホント、気をつけねばと思います。自転車ライダーはもちろん、車もバイクも歩行者も。


 特に注意を払わねばならないのが、本気のロードチャリ乗り。


 なんといっても、上質な有酸素運動の結果、彼らの脳内には大量のドーパミンやらアドレナリンやらありとあらゆる薬物が充満している。こちとらシラフ。ただぼーっと移動しているだけ。そこへ音もなく結構なスピードで現れるエイリアンみたいな衣装に身を包んだ本気ロードチャリ。こちらをゲームの障害物かなんかように接触寸前の距離でかわし走り去ってゆく。異様なテンションだけを残して。


 我々は道を移動しているだけ。ところが彼らは競技をしているのです。一般の道で。もう、向き合う姿勢が違う。出来るだけ速く進みたい、なるべくなら止まりたくない。そんな気持ちが、我々の数十倍働いているとみて間違いないかと。


 以前、都内某所をぼけーっと歩きながら、とある小さな交差点を渡ろうとしたところ、横から突然「うおーーーーーーっ!!!!」と大声。驚いて立ち止まった僕の目の前を、エイリアンがびゅーっと通り過ぎていきました。薮から棒の恫喝に、数秒動けなくなった事を覚えています。やつらの沸騰しきったアドレナリンをゆめゆめ侮る事なかれ、そう心に刻んだものです。


 加えて、時を同じくして押し寄せる観光立国時代。日本と異なるルール観や文化を持つ外国人チャリライダーも多く見受けます。だいぶおおらかな運転をしている印象があります。大阪人以上に、信号がどうあれ行ける(と自分が判断した)ときは行く、みたいな。びびります。要注意。


 自転車専用レーンなんてのも最近見かけるようになりました。


 広めの歩道を白線で分割し、それぞれ自転車と歩行者の絵を地面に描く事で人々にアピールしている。大変良い試みだと思いますが、十分に機能しているかと問うならばこれはまだなかなか難しい現状といわざるを得ず。歩きスマホの人々にそのメッセージは全く届いていなかったり、自転車レーンにちびっ子たちが突然飛び出て来たり。


 車道の左側1メートルぐらいを自転車レーンにするタイプも。こちらも、違法駐車の車が1台いるだけで、それをかわす自転車が後続の車に接触する危険性が普段以上にあったりして。


 そこでご提案。すなわち、段差をつけたら良いのではないかと。


 車道は最も低く、その左側1メートルほどの幅を10ないし15センチほどアスファルトを積み、自転車レーンとする。更にその左側を同様に高くして、歩道とする。高さが違えば路肩駐車もだいぶ難しくなる。歩行者へのアピール度もぐっと増すかと。どうすか、国土交通省のみなさま。どっかで試してみないすか。どうかご検討を!


 道交法上は自転車も車両扱い。夜間にライトつけないとお巡りさんに注意されるし、飲酒運転は厳禁等、立派な条文も設けられておる。そこにもうひとつ、サイドミラー(右側だけでも)装備を義務づけるというのはいかが。もう、売る時点での標準装備。


 自転車で歩行者や別の自転車を追い越すとき、もしくは電柱や停めてある車をよける際、ぐいっと振り向いて後方を目視するの、けっこう大変。ノールックで車道右側へ飛び出すおっちゃんおばちゃんも多く、彼らの後方で運転していてびびる場面が少なくありません。自転車のハンドルの右側にミラーがついてるだけで、だいぶ危険が減ると思うんだけどなー。どうでしょ。国会議員のセンセ方、どうかご検討を!


 世の中の変化に対してインフラや法整備が後手に回るのはいたしかたないこと。ことチャリンコ事情に関して、今は己の身を己で守らねばならぬ時期。


 みなさま今年も、どうかご安全に!