「真田丸」。


 旭姫を演じた清水ミチコさん、凄かったすね。「夢で逢えたら」の伊集院みどりから四半世紀超。いまだ一向に衰えぬ顔力。笑うのを通り越して、動けなくなりました。


 


 さて、Amazonプライム生活が早くもご無沙汰な桜井。よせばいいのに今度はNHKオンデマンドなるものに手を出してしまいました。


 太一(当然、山田)のアーカイブ、どーーーーしても観たくて。


 夜な夜な「男たちの旅路」(1976)に溺れています。俺のなかで今最も熱い男、鶴田浩二です。2016年ですか、そうですか。子供の頃に見た第1部が衝撃でね。その後ドラマは第3部まで続いたのですが、見逃してね。ずーーーーっと見たくてね。さすがに第3部までくると多少の間延び感は禁じ得ないですが、それでも第3部第1話「シルバーシート」のおじいちゃん陣ときたら!志村喬、笠智衆、加藤嘉&モア!!彼らに堂々と説教する鶴田浩二!!!部屋でひとりでパソコンに向かって声を上げている俺。2016年、今年48歳、そうですか、そうですか。


 過去へ旅するには、昔は本か写真、それにレコードぐらいのものでした。限られた素材から過去を思い出したり妄想したり。それはそれで楽しいもんでございました。


 ところが現在デジタル時代。ソフトも日に日に充実、それらを実に手軽に楽しめるときました。結果、限られた時間の中で、過去を旅する比率が急上昇。映像もデジタルリマスター技術の向上により、ヘタしたら当時より鮮明な画を楽しんでいる可能性も。喰らう情報量やインパクトは並々ならぬものがあります。


 もうね、ある意味、我々はタイムマシンを手に入れたと言えるのではないでしょうか。


 時空を超える縦横無尽さは勿論持ち合わせてなどいません。だけど、ある一定の過去をかなりリアルに感じる事が出来るようになっている。そう感じてやまないのです。


 そうなると、ひとつ困ったことが。


 面白い過去をばんばん見続けていると、現在をつまらなく感じてしまう瞬間があるのです。


 本やレコードや写真のみの時代なら「昔は良かった」なんて粋がってみても、所詮はきいた風な口。自分の中で「こうあってほしい」と作り上げたイメージを今と比べて愚痴っているようなもんでした。


 ところが現代。過去の優れた映像作品をどかどか”観”ちゃうとね。空気感や人々の息吹やエネルギーをまざまざと叩き付けられるもの。濃いわ、昭和。


 ついつい、安易に今に失望しがちな昨今。


 なので、「真田丸」の清水ミチコさんには救われました。ホント、面白くて固まるなんて、なかなかないもの。


 よかった!今、生きてて。サンキュー、ミチコさん!