こういうことで良いのか、と思っていました。この方向は正しいのか、と悩んでいました。
グンゼ社製の、いわゆるボクサーパンツ。
ここ数年はより薄く、より軽く、なおかつ暖かく、そんな方向へ向かっているように思われます。さすがのグンゼ株式会社、その技術力を遺憾なく発揮し、こんなに薄いのに丈夫!ここまでの通気性にもかかわらずこの保温性!そんな二律背反的問題を次々に解決してまいりました。その技術と情熱には、いつもいつも舌を巻きます。お見事、というほかない。
しかしながら私め、舌を巻きつつも、これでよいのか、と。
履き心地は申し分ない。いや、いささか申し分なさすぎるといいますか。
極端な言い方をすれば、履いている気がしない。ノーパンか、と。いや、保温性はバツグンで、すーすーなんて微塵もしないので、ノーパンじゃないすよ。ノーパンじゃないのだけれど、履いていることを感じないほどの履き心地を、御社は目指しているのだとしたら。
私めとしては、パンツに、男の子の一番大切なところを「守ってもらっている」感を求めたい。お母さんに抱かれているように、しっかりとした実感をあなたに求めたい。そう願ってしまうのです。
10数年前に登場したYG(Young Gunzeの略)の初期型、その名も「ボクサーブリーフ(前あき)」が一番好きなモデルでした。今やすっかり世の男性の下着デフォルトとあいなりましたボクサーパンツの先駆けモデル。パッケージ裏面にはこう記されています。
”ソフトでほどよいホールド感
太い糸を使用し、丈夫でザックリとした着用感を実現”
これです。まさにこの着用感こそが僕を世界の荒波に向かわせる勇気をくれるディフェンスコンセプト。こいつに守ってもらえさえしたら、大抵の攻撃には耐えられるぜ!てなもんです。男は黙って、ザックリと。
それが、細い糸を使用し、まるで着けていないような着用感を実現された日には…。きんたまノーガードでは荒波なんてとんでもない。心もとなくて心もとなくて、おんもに出るのもままなりません!おかあさーん、たーすーけてーー!!てなもんなのです、恥ずかしながら、アタシのバヤイ。
そんな折、ダイエー2F紳士下着売り場にて。
久々にグンゼチェックを、なんつって真っ直ぐかのコーナーへ。
成宮くんがCMモデルのご存知(ですよね)Body Wildシリーズを推す売り場レイアウト。いつもの、頑張ってっけどやっぱちょっとダサいこの感じ(そここそが、たまらなく良い)、いつものグンゼ異常なし、と。YGBW(ヤンググンゼのボディーワイルドの略)もまた、薄さ軽さぴったり感を追求するコンセプト。加えてターゲットがあたくしより若めに設定されており、やや攻め気味のデザインが自分には気恥ずかしい。メインの売り場を横目に、デッドストックの初期型が棚で叩き売りされていないかなーなんてきょろきょろ方々物色。と。
”YG gold 贅沢肌着” なる初お目見えの商品が。
金と黒を貴重としたパッケージ。仰るとおり「贅沢」アピールの新製品。日本製とでかでかと書いてある。ベトナム製でもグンゼは高品質ですが、確かに日本の工場で作られたもののほうが、質が良い。これ、グンゼ党(そういう党があるとするならば)にとっては言わずもがなの常識。
当然コットン100%。更に消臭効果や吸湿性に優れ、なおかつ衣類乾燥機対応という頑丈さのおまけつきだ。
値段は税込み一着1000円也。ほう、取るじゃないの、グンゼにしては。
その隣には、更にウエストゴムをストレスレスにしたという一着1300円也が。
両方買って、本日まずは1000円也を試してみましたよ。
むむむ。
や、やりおる。ここ数年の流れは踏襲しつつも、しっかりとした「守られている感」、ある。しかも、肌触りがなんとなくオトナ。優しさ、うわべだけじゃないかんじ。これを提供したひとは、本気で俺の下半身快適ライフを思ってくれている。そんな、良い旅館に泊まったときのような、言葉にこそしないがしっかりと交わされる静かなる魂の会話。そう、オトナのコミュニケーションしている自分に気がつきます。パンツ開発者と、俺との。
グンゼさん、これ、傑作だね。すごいとこに貴殿、辿り着かれましたな。1300円のは勝負用に赤を買わせていただきましたよ。
今年は贅沢肌着でいきますよ。
でも、太い糸でザックリも大好きなので、初期型の復刻も強く、熱望いたします。それまでは地方の衣料スーパーとかで、デッドストックあさります!
春からのツアー、そういった意味でも、忙しくなりそうです。
その前に来週の俺ワンマン、いっちょ新品の赤で臨みますか!!