1990年7月31日、京都磔磔。


 「びっくりしたな、もう」という、学生時分自身生まれて初めて組んだバンドで初めて関西に遠征した想い出深いライブ。マネージャー同士がお友達というご縁で対バンしてくれたのが、なんと、かのウルフルズ。


 こちとら初の関西ライブ。二十歳そこそこ。磔磔というかっちょいいハコでやらせてもらえるだけで鼻血ものなのに、対バンの音楽もキャラも演出も後頭部をぶん殴られたぐらいの衝撃で、「関西すごいぞ」と、東京に帰ってからもライブハウス仲間にアナウンスしまくったことを覚えています。


 そんななか、びっくりの活動とは別に、1989年にテレビの勝ち抜きフォーク合戦というひょんなきっかけで真心ブラザーズとしてメジャーのレコード会社からデビューしていたあたくし。真心のライブで大阪は確か中之島公会堂でのワンマンライブが決定し、まだ大阪在住であったトータス松本くんとウルフルケイスケくんをライブにご招待いたしました。当時あたしもさることながら、メンバーのYo-Kingさんはだいぶクレイジーなステージパフォーマンスを繰り広げており、その日のライブの架橋で彼はなぜか「今ならバック転できるかも。普段は出来ないけど。」という妙な確信がわいたらしく、直感の命じるままバック転。残念ながらまったく出来ずに首から「ぐしゃっ」とステージに倒れこみました。そこからゾンビのように立ち上がり何事もなかったように最後まで歌いきったYo-King。それをみて松本くんはケイやんに、


「東京はすごいな」


 そう言ったそうです。


 関東関西お互いそれぞれすごいぞ言い合っていた間もなく、ウルフルズは上京。あっというまに都内のライブハウスシーンを席巻。メジャーデビューを果たし、数年後にはあの「ガッツだぜ!」で日本中のハートをわしづかみにします。


 当時、クルマを運転しながらFMをかけていたところ、小学校の頃から聴いていた土曜午後のチャート番組のクライマックスでDJ が言いました。


「今週の一位は、T◯Fを抑えて、ウルフルズのガッツだぜ!」


 それを聴いたとき、ハンドルを握りながら、震えてしまいました。忘れもしない国道1号。


 旅先のライブハウスで出会った同世代の衝撃の音楽が、日本中を巻き込んで「今」を作っている。ガキの頃から聴いているFM東京「コーセー化粧品歌謡ベストテン」でも、やはり一番だ…!てぃ、T◯Fを抑えて…!


 それからの彼らの活躍は皆さんのご周知のとおり。


 


 なので、この度のニュースは、すっげー嬉しいのです。


 いい歌いいライブ、いっぱい期待しているぜ。


 おめでとーございます!