あの、熱かった2005年の夏から、もう一年が経ちました。今年もMB‘Sの面々と共に新しい夏の伝説を残すべく、全国津々浦々に出没予定の真心ブラザーズ。昨日は福岡・海の中道にて「ハイヤーグラウンド’06・前夜祭」に出演。わけあって生まれて初めてタンクトップに皮パンなるスタイルで舞台に上がった小生。貧相な肉体をカバーすべくありったけのエネルギーで演奏いたしました。梅雨明けのまぶしい太陽の下、みんなの熱唱・熱演によりお客さんも一足早い博多どんたく状態。熱中症による死者が出なかったのが奇跡的とさえいえる(いえるのです)真夏のレジェンド達成現場でありました。メンバー一同、グッジョブ後の極上の一杯を交し互いの寄る年波を笑いあう等の軽口をたたいている。それを横目に。

 着替えもままならず汗もどくどく噴出すままに車に乗り込み空港へ向かい、単身福岡より苗場に向かう俺。苗場、それは遠く離れた越後の国。あらかじめ羽田に駐めておいたマイカーに乗り込み、北へ向かう孤独なドライブへと旅立ったのです。今頃はとんこつラーメンに芋焼酎で盛り上がっているであろう仲間達にイタ電したい、しまくりたい、そんな気持ちをぐっとこらえて。

 一体何用で夏の苗場へといえば、そうです。言うまでもなく、フジロックフェスティバル。

 フジロックフェスティバル、それは事実上、現在地球最大規模のポップミュージックの祭典。

 それに真心ブラザーズとしてでなく、個人的に乗り込んでいる俺。観に行くんじゃないよ。演奏しに行くんだよ。観もするけど。

 そして今、未だ梅雨の明けぬ雨の苗場プリンスにてこれを書いております。話をするには事に至った経緯の説明を要しますか。




 スキー場のメッカ中のメッカ、苗場に大小無数のステージが点在し、国内外を問わずありえないほど旬なポップミュージックのパフォーマーが集結し、プレイする。皆でそれを楽しむ。それが夏の苗場。

 そんな苗場スキー場に“ドラゴンドラ”なる異常な長距離運行をするゴンドラがあります。それに揺られること約20分(!)、いわゆる“てっぺん”に到着します。シーズン中は上級者コースにでもなるのでしょうか。でも夏は単なる広くて高くて気持ちのいい草っぱら。その単なる草っぱらに「サイレント・ブリーズ」なるエリア名が命名されました。

 そこでは朝からみんなでラジオ体操をやったり大縄跳び100回チャレンジやだるまさんが転んだ真剣勝負やったり等々、直接ロックに関係ないのですがみんなが童心にかえって楽しみ、リラックスでき、大切な何かを取り戻せる空気が広がっているというのです。

 とはいえゆうてもロックフェス。あんまり音楽を無視しすぎるというのもいかがなものかと。だからといって、下で本番を終えたあのアーティストが生ギター一本で特別に!というのもなんだか生臭さをぬぐえないものが。

 そこで今年からはと企画されたのが、田中星児さん的いわゆる“歌のお兄さん”。完全にあのキャラで誰もが口ずさめるあーんな曲やこーんな曲をみんなで声をあわせてうたおう!そんなナビゲートができるミュージシャンはどこぞにいないかと。

 おわかりですね。何故か私めに白羽の矢が立ったと。「サイレント・ブリーズ」を仕切る某音楽業界人に渋谷でたっぷり焼酎をご馳走していただき、まさかこれでお断りするなど言語道断な雰囲気の中いともかんたんに寄り切られ、謹んでお受けしたと。

 そういうわけで本日、オーバーオールにそれっぽい帽子かぶってフォークギターぶら下げて歌ってまいりました。話のついでに本日の曲目、今風にいうならセットリストってえやつを。

 ~翼をください」を熱唱しながらステージ(といっても草っぱら)立ち位置へ~

(1)幸せなら手をたたこう

(2)どか~ん

(3)ビューティフル・サンデー

(4)上を向いて歩こう

(5)今日の日はさようなら

 2曲目に関しましては、Yo-Kingさんに無断で…。すんません。いやしかし、もうね、アホほど盛り上がりましたよ。俺、これで全国の幼稚園や介護施設を回ったらけっこう食えるんじゃないかと錯覚しそうになるほどに。自然のド真ん中という開放的な空間と名曲の持つ力のなせる技といったことなのでしょうか。秀俊、またひとつ、歌の、音楽の力を思い知った次第であります。

 ちなみに明日も同ステージを繰り広げる予定。

 万が一、来れそうだという方がいらしましたら、明日7月30日(日)フジロックフェスティバル内「サイレント・ブリーズ」にて14時よりスタート予定、お待ち申し上げております。

 無理ですか。いくらなんでも。