君はもう“制服ディズニー”なる言葉を聞いたか。

 制服ディズニー。

 それは、ミッキーミニーにドナルドやプーさんが学ランだセーラー服だナースだ警察官だ思い思いの制服に身を包んだディズニーキャラクターの集う光景をさすのか。またはお客さん特に女性客が制服に身を包んできゃっきゃきゃっきゃディズニーランドを楽しんでいる様をさすのか。

 幸いなことに、それは後者をさすらしいですぞ、ご主人。

 聞いたところによると、高校を卒業して間もない19ハタチの皆皆さまが箪笥から制服を引っ張り出し、夢の国でプチコスプレを楽しむのだそうな。そんなプレイがここ数年、にわかなブームとなっておるそうな。

 制服ディズニー。その響き、“乳間ネックレス”以来数年ぶりに吾輩の琴線を刺激しました。ぃやあもう、じゃらんじゃらんですよ2008・秋。琴の線が。

 「制服」それは故・尾崎豊氏表現するところの「支配」の象徴。「この支配からの卒業」を果たして間もない若人たちがあえて制服に舞い戻り、夢の国できゃっきゃとはしゃぐ。なんでしょう、わき上がるこの妙な共感は。

 私の場合学ランだったのですがなかなかどうして好きでしたよ、学ラン。

 都立高校なんかは私服登校だと聞いていましたが、ひとつも羨ましくなかったもんなあ。まったくフリーにされるより、ある程度のお題といいますか縛りがあった上での自己主張知恵絞りのほうが楽しく感じられて。楽だし。

 ズボンの太さ、丈、上着の長さ、身幅、限られたアレンジ範囲にも地方や信条によっていろんな文化があったもんです‘80年代。修学旅行なんかに行くといわゆる“短ラン”がうじゃうじゃいて、夜中に宿で他県の短ラン族を田舎者扱いしてコークハイとか飲んで笑ったもんです。自分たちも100%サエないくせに。

 あたしの場合当時からバンドくんだったもんで、日々の学園生活に少しでもロックを取り入れたくてとりあえずズボンをすんごい細身にして登校していた記憶があります。もちろん、単なるアメンボぐらいにしかなっておりませんでしたが。

 ま、そんな風に、ありもののルールのなかででなんとかがんばって己を主張せんと孤軍奮闘した日々から解放され毎日なんでも着ていい日々に突入すると、揺りかえしと言いますかあの甘噛みのような縛りが懐かしく感じられる。そして今は髪の毛の色もピアスも自由。加えて懐も高校時分に比べりゃあバイト等であったかくもなっている。今のポテンシャルで昔に戻ることができたら…。それは誰しもが一度は心に思い描くことではないでしょうか。

 そこへきて、千葉の浦安には25年の長きにわたって多少の非日常を許してくれてきた懐の深ぁい夢の国があるときた。

 そりゃさ、ちゃんとした美容院で髪の毛やってもらってさ、ちょっとは上手になったメイクもしてさ、そこに制服をばちこーんとぶち当ててさ、とどめにミニーの耳をカチューシャにしてさ、今日だきゃ日がな一日はしゃがないでか、てえものでしょ。思い切ってスカートを当時より短めにしてみるっしょ。今あたくし、当然のように男を想像から除外してますけど。脳みそ女性限定車両ですけど。よろしくお願いします。男は、見たくないですな。気持はわかるけど。思い浮かべたくは、ないよね。

 たとい自分があと20歳若かったとしても制服ディズニーする勇気は、さすがにねえもんなあ。馬鹿みたいで。いや、馬鹿なんですけどね。やってみたい気持ちは大いにあるのですけどね。見栄のほうが勝つということです。

 しかしながら、自分があと20若くしかも女子であったら、確実にやるね。制服ディズニー。仕切るね、先頭に立って幹事を務めるね、制服ディズニー。

 羨ましいなあ、女子。世の中の大半の心配ごとを可愛さひとつでひっくり返す(この作用を私、“可愛力”と命名しております)、そんなレベルの器量よしならなお羨ましい。

 ううむ。実際問題、この目で確かめたいぜ制服ディズニーその存在。

かつてこれほどまでに東京ディズニーランドに行きたいと思ったことはありません。誰か俺と行かないか。車を飛ばして浦安へ。や、でも男となんか行きたくないのさ夢の国。とはいえ心揺さぶる女子と共に訪れることができたとしても、終始よその制服組を眺めてばっかいるわけにもいかないでしょう夢の国。40男ひとりでなんか、なお無理でしょ。入国を拒否されかねません。

 夢の国で起こっているという夢のような現象は、おそらく今後も夢のまま。




 などと呑気な妄想に溺れているわけにもいかぬ今日この頃。全国ツアーが目前に迫っておる真心ブラザーズ。

 ひとつ私事ながらお知らせすべきことが。

 来る11月23日の日曜日。横浜BLIZにて“俺たちは真心だ!ツアー”横浜公演が行われるのですが、そのオープニングアクト、ま、前座をですね、あたくしの地元バンド「フラワーマンバンド」が務めさせていただくことにあいなりました。Yo-Kingさん及びスタッフの面々の了承済みであります。まことに手前勝手な申し出とは重々承知しつつ、何とぞ皆様、ひとつよろしくお願い申し上げます。

 横浜BLITZ。

 それはバンド活動を継続中の神奈川県民なら一度は立ってみたい大舞台。メンバー全員横浜氏在住我がフラワーマンバンドも何を隠そうかの舞台を目標に制作活動及びライブ活動に励んでまいりました。

 つまり、制服ディズニーは夢のままでも、BLITZの舞台というドリームはカムトゥルーになったと。ボーカルの瓦弘二(桜井の中学の同級生・素人)はとりあえず、ダイエットを始めました。その前に歌詞を覚えるべきであると私は考えますが、がんばろうとしている人間に水をさすのもなんなので今のところ見守っております。落としたいお腹の肉だけが落ちないそうです。

 真心ブラザーズの新譜も、狂ってますよ!ツアーも楽しいを通り越して、ガイキチな内容になりそうですよ!死なない程度に頑張りますよ!!どうぞご贔屓に!!!




 2008・冬。皆様のご来場を心よりお待ちしております。